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保守点検の定義
保守点検とは、清掃、校正、消耗部品等の交換を言う、保守点検の実施主体は医療機関である。
指定されている院内医療機器の保守点検業務を、外部の適 正な業者に委託することが認められている。
1) 医療機器の保守点検制度 医療機関を対象とした法規としては、厚生労働省が所管している「医療法」があり、医療機器の 高度化に対して、安全性、有効性を維持するために、保守点検が必要な医療機器が定められた。
こ の法規では、医療機器の保守点検業務の外部委託についても規定されている。
2) 保守点検制度の趣旨と経緯 医療機器の適正な使用を確保する為に、平成6年7月に薬事法が改正され、製造業者側は、保守点検の実施に対する適切な情報提供が義務付げられ、医療機関側は保守点検を適切に実施するよ
うに努めなげればならなくなった。
更に、平成8年3月に医療法が改正され、保守点検の外部委 託について規制緩和が図られた。また、平成19年4月には、医療法が改正され、医療援器の保守
点検・安全使用に関する体制確立が求められた。
その中では、保守点検が必要な医療援器について、保守点検計画の策定等を行うことが求められている。
3)保守点検が必要な医療機器 医療機関に対して、保守点検が必要な医療機器が定められている。また,医療機器の製造販売業 者に対して、保守点検に関する添付文書が必要な医療機器が定められている
。
4)保守点検外部委託時の適正な業者 医療機器の保守点検を医療機関より受託できる者は、 修理業の許可を取得したもの、あるいは医 療法施行規則第9条のI2に規定する能力のある者であり、事前に当該施設と受託契約を行った上
で実施することになる。
特定保守管理医療機器を修理する修理業者が、修理業の許可を受げた区分の医療機器について、 保守点検を医療機関内において行う場合は、保守点検の業務を適正に行う能力のある者として認め
られている。
5)保守点検制度の遵守事項
【保守点検業の遵守事項】
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製品の安全確保
医療機器を修理する場合、設計、製造段階で確立されているその製品の安全対策や予防措置を、確実に元通りに復元する必要がある。
そのためには資料などに記載されている安全のための注意事 項をよく読み、指示を正確に守って作業を進めなげればならない。
医療機器によっては特有の注意事項もありますが、ここでは共通的な注意事項について述べる。
1) 修理後の安全確保
(1) 指定部品の使用
@ 修理マニュアルや部品表に、安全上重要な部品と指定されている部品を交換する場合には、必ずその指定の部品を使用する。
A 特に高圧周辺回路の部品は、必ず指定部品を使用し、絶対に回路変更をしない。
(2)部品の取り付げおよび配線の処理
@ 安全のために、部品の取り付け間隔や取り付げ方法、線間距離などが指定されているものは、その指定に従って処理をする。
(放熱のために部品を基板から浮かす,高圧回路の配線の固定などに注意を要す.)
(3) AC 電源回路の修理時の注意
@ AC一次側の部品 (トランス、電源スイッチ、電源コード、雑音防止コンデンサー等)を 交換するときは,リード線を巻き付げてはんだ付げをする、またこれらの部品が基板にじか
付けの場合は、元の状態と同じにする。
A 高圧周辺回路の修理には特に安全への注意が必要であり,必ず指定された修理方法で実施 する。
装置の長期使用 (常時使用) 機器は接地状態の確認、モニターの高圧部の塵の除去に修理 時の確認と注意が必要である。
(4) 修理後の電気的安全チェック
@ 修理のための取りはずしたネジ、部品、配線が元どおりになっているか、また修理した箇 所の周辺を劣化させてしまったところがないか点検する。
更に故障箇所以外についても安全性に関わる部分の回路部品が正常に機能しているか、劣 化していないかを確認する。
A 修理後は必ず絶縁チェックをする、特に電源回路や安全上重要な回路を修理した場合は、 外部金属部分と差し込みプラグの刃との間の絶縁抵抗が、基準に合っているかを確認する。
(5)修理後の機械的安全チェック
@ 重要連結部の緩み、潤滑油切れ、機械部品の磨耗、チェーンおよびワイヤーロープの傷、遠隔操作などの安全機構に関し、「安全点検チェックリスト」で再確認することが必要。
A 一般に機械的トラブルは、大きな人身事故になる可能性が高く,十分注意を要す。
(6) 作業報告の義務
@ 作業後、その記録内容を情報として、必ず使用者に報告しなげればならない。
(7)修理、使用不能機器の使用者への廃棄勧告
@ 当該機器の安全性に関わる故障を発見した場合は、「使用の禁止」を、また修理不能の場 合は「廃棄処理」への勧告を文書で行う。
A その際使用者と調整を行い、当該機器が誤って使用されないために当該機器へ表示する。
故障点検・診断の方法と修理
故障機器の修理は、次のプロセスを踏んで依頼者に戻すことになる。
依頼者からの故障機器の部品の受入れを行った後、
@ 外観診断
A 動作診断、機能診断
B 修理作業
C 動作試験 (正常との比較)
D 最終検査、点検
E 返却、搬出 それぞれの段階で留意すべきことがあり、かつ備えるべき試験用装置・工具が必要である。
1) 故障機器・部品の受け入れ 病院から搬出する故障機器,部品は感染症などに配慮し、消毒されていなげればならない。
この 場合、感染症の恐れのある機器は消毒されていることが判明していない場合は、受取りを拒める。
また、故障の状況、原因をつまびらかにしておかねばならない。
この点に注意し、以下の項目を書面、電話などで明らかにし記録する。
(1) 故障の発生日時・場所
(2)故障の状況
a.発見時の状況、周囲の環境
b.故障の症状
C.故障機器を適用した疾患
d.他の同時使用機器
e.使用頻度
f.使用者
(3)発見者名、発注者名、責任者名
(4)故障機器の型名、型番、製造番号
(5) 病院側の返却希望日
(6) 消毒滅菌の有無
(7)受げ入れ日
(8) 検収書 (性能確認データ)
(9) 故障履歴
(10) 保守点検履歴など
2)外観診断
機器を操作せずに目視あるいは手で確認できる点検で、故障対象機器の「動作前」状態におげる この点検は、測定器などを使用しなくても可能な内容である、電源コンセント、アース線の接続、はずれなどの確認も忘れてはならない基本的事項である。
3)動作診断、機能診断 (現場の再現)
受げ入れ時に確認した故障状況から、すぐに原因、あるいは故障箇所が判明する場合も、またその故障部位を判定することができない場合もある。
故障箇所が分かっている場合も含め、以下の動作診断を行うのが標準である。
実際に故障発生現場に行って再現するのがよい。
しかし現場に急行しても患者に対する適切な処 置を施してあったり、別な機器が使用されていたり、また故障機器は取り除かれて別室に置いてあ ったりして再現することは困難である。
引き取った後でも故障状態を再現し、故障状態、故障部位 などを確認することが第一歩である。まず,動作診断と機能診断の基本的考え方を示し、次いで故障部位の探査法を述べる。
(1) 動作診断の基本的な考え方 機器の基本操作,および基本動作について点検する。
したがって機器の稼働部分、表示機能 (指示、光、音等)等に関し、実際に電源を投入して実施する。
動作点検は動作までの準備、動作、動作後の整理の三つに分げることができる。
[準 備]
機器を作動させるために必要な前処理 (動作に必要な操作、消耗品の補充、および点検時に必要な関連機器の接続など)
[動 作]
故障点検に必要な機器の稼働部分表示機能を作動させる。
[作動後の整理]
機器の動作を停止するために必要な操作、および終了のための操作作業。
以上の一連の動作の中で、機器の故障状況判断、および修理の基本方針を立てる。
(2)機能診断の基本的考え方 機器の機能面について総合的に点検するもので、機器の安全性および精度管理の点から重要な点 検である。
この際、納入引き渡し時の仕様書、検収書 (性能確認データ)、故障履歴、保守点検履歴のデータを参考にする。
点検内容は細部にわたることも多く、点検の際には特別な工具、測定器などを必要とすることも あり、事前の準備とともに、点検者は対象機器に関して十分な経験と知識を有することが望ましい。
(3)故障部位の探索
@ 故障部位の探索
a・装置全体を受げ入れた場合 内部故障などのように、見た目に分からないものは故障状態を再現し、症状出現部位から、順次 入力部方向へ遡っていく方式で故障部位を探す、通常、故障から後方はすべて異常を示すからであ
このとき重要なことは正常動作時の各部の動作値を持っていることである。
すなわち正常動作状 態との比較によって判断することが容易に行え,故障診断の時間を早めることにもなる。(正常動 作時の各部のデータ保存)
b・装置の一部分のみを受げ入れた場合 このような場合は病院側ですでに故障箇所が判明している場合である。
その場合でも装置全体と して戻してもらう方がよいが、戻してもらえない場合には、故障状態を再現することができる同形 の機種、あるいは故障模擬テスト装置が必要である。これがないと最終動作試験を行うこともでき
ず、修理が終了したとはいい難いということが生ずることにもなる。
(同型機種の確保,または故障模擬テスト装置の確保)
A 故障探索法ー1
複雑な制御をマイクロコンピューターチップなどを入れて行っていることがある。
この場合は製 造業者の方で、故障探索法のテストスイッチ(場合によってはテストプログラム)を用意している。
技術マニュアルに沿って手順を踏んで探索する。
そのためテストマニュアルを保存する必要があ
B 故障探索法ー2
物によっては、Feedback 制御になっている場合がある。
Feedback 系は流体回路系であること も電気回路系であることもあるが、出力状態によって人力量などを変化させ、目標値に安定させる 機構であるので、状態把握をしにくいこともある。
それ故帰還ループを切り、開ループ (オープンループ)として探索する。
C 故障探索法ー3
Fault Tree Analysis (FTA) は設計段階で将来事故を予測し、原因を事前に追求し、対応を考 慮するのに用いられる。
製造業者もこのようなFTA などの事前解析によって、適切な技術マニュアルなどを作成してい る。
このFTAの成果に基づいて故障部位,故障原因を探索することも可能である。
システムとし て複雑なものや、損傷がひどく第一原因が分からないような場合に有用である。
D 故障探索法ー4
そのほかに技術提供された故障しやすい場所、誤操作などで生じやすい症状、故障などの情報を 活用する、熟練した技術者の感覚も重要である。
E 故障原因箇所探索の注意点
故障箇所の探索の際、故障箇所は数箇所に及んでいることがあり、その中の真の原因を探し当て ておくことが重要である。
たとえばヒューズが断線して、機器が動作しないということは本体回 路のどこかで過大な電流を流すような状態が存在しているということである。したがってヒューズ
の断線が故障箇所の1つであっても、本当の原因は別なところにあるわげで、この箇所を見つげ ておかなげれば何度ヒューズを交換しても直ったことにはならないので留意すべきである。
このように見かげの症状の背後にある真の故障原因を探索することに留意する。
4)修理作業 (部品交換,直し)
修理を行うにあたっての具体的要点,注意事項は次項で示す。
ここでは共通的修理手法について触れる、故障箇所が分かったときには (故障を発生せしめる原因は不明であっても)次の手段をと るのが常套的である。
(1) 故障部位の電気的、機械的修復
断線部分をはんだで結線するとか、何らかの理由によって曲がった部分をまっすぐにするという行為
(2)故障部品の交換
簡単に修復できない場合や患者の安全上重要な箇所は、部分的にその部品を交換する。製造業者から提供された同種、同型の機器用の指定部品を用い,他の機器で用いられる部品を代用することは避げるべきである。
(3)ブロック、モジュール交換
複雑な電子回路上の故障などは、配線図を追うようなことも考えられるが、基板ごと交換してしまったほぅが早くかつ安全である。
またメーカーでなげれば直せない部分はメーカー側もユニット 化あるいはモジュール化を施しているので,この点を留意して修復する。
(4)修理不能の判断
故障診断の結果修理できないこともある。
単に機械的、電気的に修理不能といぅことだげでなく、たとえば高額な修理経費がかかったり、あまりに古い機器で、製造業側の対応ができないとい うよjな場合もある。修理の可否について病院側へ具申すべきこともある。
5)動作試験の実施
故障箇所の修復が終わったら、その部分が正常に稼働するかどうか試験を行わねばならない。
電 源を入れ作動させ、ガスや流体などを流して使用状況を再現し、正常稼働するかどうかをチェックする。 その際使用条件の最大最小設定を模擬し、動作状態を判断する。
またそのとき正常稼働時の各部 の動作値と比較をすることで判断する。
しかるべき修理試験テスト用の環境設備が必要である。
6)最終検査
部分的な修復を行い、その部分の稼働性をテストし、初期性能や機能が維持されていることを確 認した後も、次の検査は行わなげればならない。
すなわち安全佳試験を行わねばならない。
医用電気機器は出荷時にその電気的安全性を全数試験し、検査データとして添付しているはずで ある。
型式試験に類するものに優先して,漏れ電流試験は必ず行う必要がある。
そのほかにもガス漏れ、液体漏れなど機器本来の安全性について最終検査を実施する。
7)返却・搬出
病院側に戻す段階では梱包に留意し、輸送時の損傷、汚染のないようにする。
また返却にあたっ ては次の事項を明らかにする。
(1)修理終了日(最終検査終了日)
(2)最終検査データ
(3)故障箇所
(4)(予想された)故障原因
(5)修理の方法 ・交換部品名(ユニット名) ・洗浄など (6)修理者名、責任技術者名
(7)搬出日
特に,3),4),5)は詳細にし,今後の事故発生の予防となるような助言も含まれていれば、病院 も納得するものと考えられる。
安全性の点検(電気的安全性点検)
安全性の点検は、機器の機械的な安全性の点検と,電気的な安全性の点検に分げられる。機械的 な安全性については、機器の移動、傾斜、機械的な動作・操作などに関するもので、特殊なもので
ない限り、外観点検によって確保すべきである。
したがって、ここではME機器特有の安全性の問題として電気的安全性の点検について述べる。
1)外観点検
ME 機器の電撃に対する保護の形式のうち、最も普及しているものはクラスI機器である。
クラスI機器のものは医用3Pプラグが使用されているが、既存の病院などにおいて3Pコンセントの改修が遅れ、2Pコンセントしかない場合に、3P〜2P変換アダプターが多用されている。
この場合、アダプターの接地用である。
(2)各種漏れ電流の測定
ME機器については接地漏れ電流、外装漏れ電流、患者漏れ電流一T、患者漏れ電流一V、患者 測定電流などを測定する。
一般の機器の場合は、絶縁不良による漏れ電流が問題であるが、ME機器の場合には、ME機器 と対地間、あるいは電源回路と患者装着部分の静電容量に基づく微小な漏れ電流(マイクロアンペ
アオーダー) が問題となるので、特別な測定器によりこれを測定しなげればならない。
測定方法はME機器の電撃に対する保護の形式(クラス別分類)、および使用電圧あるいは単相/3相の区分により若干異なるが、ここでは単相100VのクラスTおよびU機器について紹介する。
なお、測定項目にはこのほかに患者測洩れ電流一Uの測定があるが、これらについては機能点検 で行うこととした。----連続漏れ電流及び患者測定電流の許容値
(3)保護接地線の抵抗測定 ME機器の接地は非常に大切なので、保護接地線の抵抗値の測定を行う 無負荷時の電圧が6 V を超えない、周波数50
Hz 又は60 Hz の電流源から25 A か又は機器の定 格電流の1.5倍の電流の内のどちらか大きい方の電流値(土10%)を少なくとも5〜10s間、保護
接地端子、電源ソケットの保護接地刃(保護接地端子)又は電源プラグの保護接地刃と、基礎絶縁 の不良時に生きになるおそれのある各接触可能金属部との間に流す
上記の部分間の電圧降下を測定し、そのインピダンスを電流と電圧降下から求める。
インピー ダンスの値は、この項に規定した値を超えてはならない 。
表 保護接地線の試験及び判定基準
| 機器の種類 | 試験箇所 | 判定基準 |
| 電源コードを持たない機器 | 保護接地端子と保護接地したあらゆる接触可能金属部間 | 0.1Ω以下 |
| 電源ソケットを持つ機器 | 電源ソケットの保護接地刃(保護接地端子)と保護接地したあらゆる接触可能金属部間 | 0.1Ω以下 |
| 着脱式ではない電源コードを持つ機器 | 電源プラグの保護接地刃と保護接地したあらゆる接触可能金属間 | 0.2Ω以下 |
4) 耐電圧
各部の絶縁は、表に規定した試験電圧に1min間十分耐えなげればならない。
ただし、その絶縁 不良が危害を生じない部分は、除く。
表に使用した基準電圧(U) は、正常な使用時に定格供給電圧又は製造業者が指定する電圧のど ちらか高い方において、関連する絶縁に加えられる電圧とする。
二重絶縁の各絶縁に対する基準電圧(U)は、機器に表に規定した基準電圧(U)で規定した電 圧を供給し、正常状態での正常な使用時に、その一重絶縁に加えられる電圧に等しい。
接地しない装着部内の基準電圧(U)にっいては、
患者が(意図的に又は偶然に)接地された状 態を正常状態とみなす。
一つの切り離された部分間又は切り離された部分と接地部分との間の絶縁については、基準電圧 (U)は各部分内の2点間の最高電圧の算術和に等しいとする。
F形装着部と外装との間の基準電圧(U)は、その装着部のどこかの部分が接地することを含め、 正常な使用時にその絶縁の両側に現れる最高電圧とみなす。
ただし、その基準電圧(U)は、最高 定格供給電圧、多相電源機器については中性線に対する位相線の電圧、また、内部電源機器につい ては250V以上とする。
除細動形装着部については,基準電匠(U) は,除細動電匠の存在を無視して決定する。
表 試験電圧 単位 V
| 試験する絶縁 | 基準電圧(U)に対する試験電圧 | ||||||
| U ≦50 |
50 <U ≦150 |
150 <U≦250 |
250 <U ≦1000 |
1000 <U≦10000 |
10000 <U |
||
| 基礎絶縁 | 500 | 1000 | 1500 | 2U+1000 | U+2000 | (1) | |
| 補強絶縁 | 500 | 2000 | 2500 | 2U+2000 | U+3000 | (1) | |
| 強化絶縁二重絶縁 | 500 | 3000 | 4000 | 2(2U+1500) | 2(U+1500) | (1) | |
医療機器修理に関する基礎知識
修理の定義
医療機器の修理とは、故障、破損、劣化等の箇所を本来の状態・機能に復帰させること(当該箇 所の交換を含む)をいうものであり、故障等の有無にかかわらず,解体の上点検し、必要に応じ
て劣化部品の交換等を行うオーバーホールを含むものである。
この修理を業として行おうとする者 は、事業所ごとに地方厚生局長若しくは都道府県知事の許可を得なげればならない。
ただし、清掃、校正 (キャリブレーション)、消耗部品の交換等の保守点検は修理に含まれない ものであり、
修理業の許可を必要としないこと。
なお、修理業者を紹介する行為のみを行うにあっ ては修理業の許可は必要ないが、医療機器の修理業務の全部を他の修理業者等に委託することによ り実際の修理を行わない場合であっても、医療機関等から当該医療機器の修理の契約を行う場合
は、その修理契約を行う者は修理された医療機器の安全性等について責任を有するものであり、修 理業の許可を要するものであること。
また、医療機器の仕様の変更のような改造は修理の範囲を超えるものであり、別途、医療機器製 造業の許可を取得する必要があること。
(薬食機発第033I004号)
@ 修理業の許可関係 医療機器の修理業の許可を受げた者でなげれば、業として医療機器の修理をしてはならない。
(薬事法 第40条の2)
修理業許可要件は次の事項を満たすことが必要である。
| ア | イ | ウ | エ | オ |
| 修理区分ごと | 事業所ごと | 構造設備の要件 | 申請者の欠格条項 | 責任技術者の配置 |
修理業の許可の申請者は、許可要件を満たしたことを確認し、所定の様式に所定の事項を記入し、必要な書類を添付し、都道府県知事に提出しなげればならない。(施行規則
第180条)
ア・修理業の許可は修理区分ごと 修理業の許可は、修理する物及びその修理の方法に応じ厚生労働省令で定める区分 (以下「修理 区分」という・)に従い、厚生労働大臣が修理をしようとする事業所ごとに与える。
(薬事法 第40条の2第2項)
法第40条の2第2項に規定する厚生労働省令で定める区分 (以下 「修理区分」という。)は、特定保守管理医療機器及び特定保守管理医療機器以外の医療機器について、それぞれ別表第2のと
おりとする。
(施行規則 第I81条)
修理業の許可には区分ごとに「特定保守管理医療機器の修理業許可」(「特管」と言う)と、
「特 定保守管理医療機器以外の医療機器の修理業許可」(「非特管」と言う)がある。
同一修理区分で、特定保守管理医療機器及び特定保守管理医療機器以外の医療機器を修理する場合には、両方のそれぞれの修理業許可を取得しなげればならない。
| 薬食機発第0331004号より 区分許可制度に係る基本的事項 修理業の許可は,改正法第40条の2第2項により,厚生労働省令で定める区分(以下「修理区分」という)に従い,事業 所ことに与えられる。 また修理区分は,施行規則第l81条の規定に基つき,施行規則別表第2に掲げる通り9つの区分に分けられる。 当該区分については,施行規則第l81条の規定に基つき,特定保守管理医療機器以外の医療機器及ひ特定 保守管理医療機器の2つに分かれる。 (表1参照) なお,修理業者は,修理する物及びその修理する方法に応じた区分に従った修理業の許可が必要であり,例えば,特管第 一区分の修理業許可を取得している場合であっても,非特管第一区分の医療機器の修理は,非特管第一区分の許可を有さ なければ修理ができないことに留意すること。 表1薬事法施行規則別表第2で示す修理区分の概要
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イ・修理業の許可は事業所ごと 許可は、修理する物及びその修理の方法に応じ修理区分に従い、厚生労働大臣が修理をしようとする事業所ごとに与える。
修理を行う事業所を変更(移転)する場合には、移転先での新たな許可が必要である。 (薬事法第40条の2第2項) ウ・構造設備 修理と修理品の試験検査に必要な設備及び器具の適切な管理が必要である。
修理、試験検査に適 切な設備及び器具を明確にしなげればならない 。
1)構造設備要件 修理業許可には、品質を確保するための、構造設備(試験検査機器含む)を具備すること が定められている。
その事業所の構造設備が、厚生労働省令で定める基準に適合しているこ (薬事法第40条の2第4項第1号) と、具体的には、薬局等構造設備規則に準ずる。
2)構造設備及び試験検査設備 構成部品及び修理品を衛生的、安全に保管するためと、品質を確認するための試験設備の 確保が必要である。
◆構成部品等及び修理を行った医療機器を衛生的にかつ安全に保管するに必要な設備。
◆修理を行う医療機器の修理に応じ,構成部品等及び修理を行った医療機器の試験検査に必 要な設備及び器具を備えていること。
但し、当該修理業者の他の試験設備又は他の試験検 査機関を利用して自己の責任において当該試験検査を行う場合であって、支障のないと認められるときはこの限りではない。
◆当該修理業事業所の医療機器を修理するのに必要な設備及び器具を備えていること。
(薬局等構造設備規則第5条)
エ・申請者の欠格条項 申請者が、次の各号のいずれかに該当するときは,許可を与えないことができる。
(薬事法 第40条の2 第4 項第2 号)
| [薬事法第5条より申請者の許可の基準] | |
| イ | 第75条第1項の規定により許可を取り消され、取り消しの日から3年を経過していない者。 |
| ロ | 禁銅以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受げることがなくなった後、3 年を経過していない者。 |
| ハ | イ及び口に該当する者を除くほか、この法律、麻薬及び向精神薬取締法 (昭和28年法律 第14号)、毒物及び劇物取締法 (昭和25年法律第303号)その他薬事に関する法令又はこ れに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない者。 |
| ニ | 成年被後見人又は麻薬,大麻,あへん若しくは覚せい剤の中毒者。 |
| ホ | 心身の障害により高度管理医療機器又は特定保守管理医療機器の販売業及び賃貸業の業務 を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの・ |
オ・責任技術者の設置 医療機器の安全性、有効性、品質の確保のため、薬事法では医療機器の修理の作業管理及び品質 管理の基準を定め、その実行するために事業所ごとに責任技術者を置くことを義務づげている。
修 理業者 (申請者)は責任技術者が業務遂行のため具申される意見を尊重しなげればならい・修理業 務を確実に行うために責任技術者の果たす役割は重要である。
次に責任技術者の遵守事項について 述べる。
1)責任技術者の義務
責任技術者は、保健衛生上支障を生じるおそれがないように、その事業所に勤務する従業 者を監督し、その事業所の構造設備、及びその他の物品を管理し、その他事業所の業務につ き、必要な注意をしなげればならないことである。
(薬事法 第40条の3準用)
(薬事法 第17条第6項)
(薬事法 第8条)
2)責任技術者の責務
責任技術者は、事業所の従事者や物品、設備等の業務管理を的確に行うことの責務がある。
また、法令上、修理業者の遵守事項も、その事業所の修理業務の管理責任者は責任技術者の業務であり、当然、責任技術者は、当該事事業所の全般を管理しなければならない。
責任技術者が行わなければならない事業所の業務管理は
次の事項がある。
(薬食機発第0331004号)
@事業所の従業者・設備・その他物品の管理
A事業所の管理・構造設備・物品等の保健衛生上の必要な注意
B修理、試験に関する記録の3年間保存
C修理の作業の品質管理の3年間保存
D教育訓練の実施の状況
E教育訓練の記録の3年間保存 (非特管は除く)
F継続的研修の受講状況
G苦情処理、回収処理の実施の状況
H苦情処理、回収処理の記録の3年間保存
(非特管は除く)
I修理の内容を文書により通知 (非特管は除く)
J中古品の修理におげる製造販売業者への通知及び製造販売業者からの指示に関する記録
A 業務案内書・修理手順書
1)業務案内書 特定保守管理医療機器の修理業者は、
「文書の作成」が定められており、「業務案内書」を 作成しなげればならない。 (施行規則 第I9I条第I項第I号)
業務案内書は,修理の対象や取扱いの範囲などを記載した修理業務の内容を、医療機関に 知らせるもので、問い合わせなどに適切に対応できるように準備しておくことが必要であ 業務案内書には、必要に応じ次の事項を記載しておくと良い。
| 1)業務範囲 | @修理として取扱つている医療機器の区分,範囲,製品名 A作業内容(例えば,据え付け作業,現地出張作業・持ち帰り作業なと) B消耗品などの供給情報 |
| 2) 体制 | @本部,支部などの構成 A企業規模 B構造設備 C配置人員 D対象地域の範囲 E修理業許可番号 の責任技術者の氏名 |
| 3)連絡方法 | @故障時,緊急時の連絡先及び対応方法 A電話番号,「AX番号 |
2)修理手順書
(修理マニュアル) 特定保守管理医療機器の修理業者は,「文書の作成」が定められており、修理手順書 (修理 マニュアル/作業手順書)を準備しておかなげればならない。
特定保守管理医療機器の修理を 行うに際しては、この文書に基づき適正な方法により修理を実施しなげればならない。(施行規則 第I91条第2号)
修理マニュアルは、「修理の作業手順について記載した文書」であり、取扱う医療機器の種 類ごとに作成が必要である。この修理マニュアルは、製造販売業者から提供を受げて備え付げても良いことになってい る。
修理作業には、修理品を自社の事業所に持ち帰って修理する場合と、出張して現地で修 理する場合があり、これらの両方を行う修理業者は、双方に対応できる修理マニュアルを作 成する配慮が必要である。
修理業務を行う上での共通的な修理手順書と、医療機器の種類ごと、修理作業手順書の二 つに区別して作成すると管理がし易い。
例えば、実際の修理作業の前後におげる手続き(受 付、準備、報告事項等)等の共通事項は、修理手順書として取扱う。医療機器の種類ごとの 修理作業手順書には,該当する場合、次のような内容を盛り込んでおくことが望ましい。
| 医療機器種類毎の 「修理手順書」 |
@製品の仕様及び基準 A主なチェックポイント Bトラブルシュ一ト (トラブル箇所の処置手順) Cソフトウェア等のバージョンとその内容及び差異 D各部の構造図 E回路図と回路部品の定格 F使用する工具及び測定器 G指定部品リスド H分解,組立方法 I修理後の確認箇所と方法 J持ち帰り修理の場合の注意事項 |
| 共通事項の 「修理手順書」 |
@業務案内書の管理手順 A修理手順書の作成及び運用手順 B修理,試験に関する記録の作成と保管手順 C修理報告書又は作業報告書の作成及び運用手順 D出発及び帰社時の手続き E修理終了時の修理業者の氏名,住所等の記載手順 F製造販売業者,その他関係機関への連絡方法の手順 G作業計画:作業指示,時間予測,日程,エ具,測定器,部品等の準備手順 H出張作業時の本部への連絡手順(故障の状況,修理の結果等) I持ち帰り修理品の保管,輸送,梱包に関する手順 J修理の受付手順 K苦情処理手順 L回収処理手順 M教育訓練手順 N作業上の注意事項 O顧客への作業予定の連絡手順 |
B苦情処理
医療機器の修理業者は、苦情処理を実施するに当たり、必ず「苦情」とはどのようなものを指す のかということを自社として取決めておくことが大切である。、
苦情とは、「機器が流通にりリースされた後の文書・電子媒体・口頭の連絡であって、機器の識 別・品質・耐久性・信頼性・安全性・有効性、又は性能に関する容認できない旨の連絡を言う」 としている。
市場で使用されている製品の不具合が、修理に起因する場合の対応として、適切に苦情を処理する手順を確立し、維持する必要がある。
1)苦情処理の実施
修理業者は、自ら修理した医療機器の品質等に関する苦情があった場合、その苦情に係る 事項が当該修理に係る事業所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、当該事業所 の責任技術者に、苦情に係る原因の究明を行うとともに、修理に係る作業管理並びに品質管 理に関して改善が必要な場合には所要の措置を講じること。
(施行規則第19I条第3項)
(施行規則第192条)
(薬食機発第0331004号)
2)苦情原因の究明・改善措置の実施
修理業者は、自ら修理した医療機器の品質等に関し苦情があった場合、当該修理に係る事 業所に起因するものでないことが明らかな場合を除き、原因を究明すると同時に、作業管理 又は品質管理に関して改善及び所要の措置を講じて、当該医療機器の苦情の内容、原因究明 の結果及び改善措置について記載した苦情処理記録を作成し、その作成日から3年間保存す ること。
(施行規則第I91条第3項)
(施行規則第192条)
(薬食機発第0331004号)
3)苦情処理の報告と記録
苦情の原因が、製造上の品質管理に関すると判断された場合は、これらに関する情報を製 造販売業者に連絡し、改善を依頼する。
当該医療機関に対しても必要事項の報告をする。
当該医療機器の苦情の内容、原因究明の結果及び改善措置について記載した苦情処理記録 を作成し、その作成日から3年間保存しなげればならない。
(施行規則第I91条第2項第2号)
C回収処理
医療機器の不具合の重大性、即ち患者や医療関係者に及ぼすかもしれない危害や損傷などの要素 によって、回収処理が決定される。この回収処理に関し、迅速かつ円滑な処理が行える体制を整え て置くこと。
1)回収処理
医療機器の修理業者は、自ら修理した医療機器の品質等に関する理由により、回収を行う場合は、その回収に至った理由が当該修理に係る事業所に起因するものでないことが明らか な場合を除き、当該事業所の責任技術者に,次の業務を実施させることが定められている。
◆回収に至った原因を究明し、修理に係る作業管理並びに品質管理に関して改善が必要な場合 には所要の措置を講じること
◆回収した医療機器を他のものと区分して,一定期間保管した後、適切に処理すること。
◆当該医療機器に係る回収の内容、原因究明の結果、及び改善措置について記載した回収処理 記録を作成し、その作成日から3年間保存すること。
(施行規則第I91条)
(施行規則第192条)
2)当該医療機器の製造販売業者、販売業・賃貸業者及び行政機関への報告
回収の内容によっては、修理業者が自ら行政機関に報告しなげればならない。
又、医療機 関等から情報により、行政から修理業者に対して,回収の内容について報告を求められることがある。
どの場合も、行政に報告する前に、製造販売業者、販売業・賃貸業者と事前に、報 告内容について説明をしておくことも必要になる。
3)製造販売業者及び外国特例承認取得者の回収の行政機関への報告内容
医療機器の製造販売業者、外国特例承認取得者が、回収処理を行政機関へ報告する場合に ついて、回収に着手した後速やかに次の事項を厚生労働大臣(当該権限が都道府県知事に委 任されている場合にあっては、都道府県知事)に報告しなげればならないことが規定されている。
(薬事法第77条の4の3)
(施行規則第254条)
D教育訓練
特定保守管理医療機器の修理業者は、当該事業所の責任技術者に,次の教育訓練の業務を行わせ なげればならない。
◆作業員に対し、医療機器の修理に係る作業管理及び品質管理に関する教育訓練を実施すること。
◆その教育訓練に関する実施記録を作成し、作成日から3年間保存すること。
(施工規則第191条第5項)
(薬食機発第0331004号)
医療機器の修理業者は、作業員に対し、医療機器の修理に係る作業管理及び品質管理に関する教育訓練を実施すること。 医療機器の修理業者の責任技術者は、当該事業所の管理(事業所の従業者の教育訓練の実施の状況)に関する記録を作成し、 かつ、これを3年間(当該記録に係る医療機器に関して有効期間の記載が義務づけられている場合には、その有効期間に 1年間を加算した期間)保管しなければならない。
E 製造販売業者への事前通知 修理業者は、医療機器の軽微でない修理を行う場合、あらかじめ当該医療機器の製造販売業者に、修理を行う旨を通知しなければならない。
(施工規則 第191条第6項)
(施工規則 第192条)
(薬食発第0709004号)
(薬食機発第0331004号)
1)修理の事前通知の対象
@修理 (軽微なものを除く)・オーバーホールをするも。
A流通段階にある中古医療機器を修理するもの。
2)事前通知の内容 (記載事項) 通知する内容は、次の@〜Eの事項である。 中古医療機器の流通(販売、賃貸、授与等)を目的とするF以降の事項を含めて通知書に記載すること。
@当該医療機器のの一般的名称及び販売名(型式、製造番号、製造年月日等も含む)
A使用者の名称、住所、担当者、連絡先
B修理に関する状況
C修理業者の氏名 (企業名、所属部署などを含む)、住所及び電話番号
D医療機器の使用期限 (耐用期間)を超えている医療機器の修理する場合
E使用状況 (使用期間・使用頻度・保守点検状況) 中古品の修理の場合又は、販売業者より中古品販売を目的とするオーバーホールを前提とした修理の依頼を受け付けた時は、 上記の項目の他に、次の項目を追加して報告すること。
F当該医療機器の一般的名称及び販売名 「型式、製造番号、製造年月日」
G前使用者に関する情報 「前使用者の名称、住所等」
H過去の修理履歴 「修理、保守点検、オーバーホール履歴」
I使用状況 (使用期限、使用頻度、保守点検状況) 「稼働状況、保守点検状況等」 製造販売業者への修理の事前通知の文書の記録保存をしなければならないので注意すること。
(施工規則 第191条第6項)
(薬食機発第0331004号)
F修理品への記載事項 医療機器の修理を行った場合、自らの氏名及び住所を当該医療機器またはその直接の容器若しく は被包に記載しなげればならない。
(施行規則 第19I条第8項)
(施行規則 第I92条)
(薬食発第0709004号)
医療機器の修理業者は、医療機器を修理した時,「自らの氏名及び住所」、「修理を行った年月日」 を当該医療機器またはその直接の容器若しくは被包に、記載しなげればならない。当該医療機器ま たはその直接の容器若しくは被包に記載事項を記載できない場合にあっては,当該事項の記載は、医療機器修理業者及び修理を依頼した者が当該事項を適切に把握できる方法をとることをもってこ れに代えることができる。
(薬食機発第033I004号)
この場合、医療機器本体に付けられている製造販売業者等のネームプレートと並べて、修理業者 が修理を行ったことを明示したネームプレートまたは印刷物の取付げを行うことが望ましい。
I)修理品の記載事項 当該医療機器またはその直接の容器若しくは被包への記載事項を以下に示す。
◆自らの氏名 (修理業者名)
◆自らの住所 (修理業者名)
◆修理年月日
◆作業内容 (法令での要求事項ではないが、修理、オーバーホール、移設、定期点検等を品質 管理面から、記載するとよい)
2)対象となる修理 医療機器の修理業者が医療機器を修理した場合。
◆全ての修理品
◆オーバーホール




