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脳波計
脳波計は,てんかんを始め脳腫瘍,脳血管障害,頭部外傷などに伴う中枢神経系の機能状態を知
る補助診断機器として広く普及している,そして最近では脳死判定の補助,睡眠時無呼扱症候群の
診断にも利用している.
脳波は,銀または銀塩化銀の材質で作られた皿状の電極を頭皮上に装着して導出されるが,その
電位は数μV〜数100μV と非常に微弱で,周波数成分も商用周波数を含むi〜6oHz帯にある.そ
こで増幅器にはIOO万倍 (120 dB)以上の増幅度,入力換算雑音も3がVp-pを超えるものが1秒に
I回以内 (JIS) という厳しい性能が要求される.
このように脳波計は,他のME機器と比較し高感度であるため商用交流等の外部雑音を受げや
すい.そこで増幅器には同相弁別比の高い低雑音の増幅器が要求され,脳波を測定する部屋も専用
のシールドルームを使用するのが一般的である.
そして,ここで得た脳波を5つの周波数帯域に分類し,δ波 (4Hz以T),θ波 (8〜14Hz),
θ波 (4-8 Hz), β波 (14-30 Hz), γ波 (30 Hz 以上) と呼んでいる.
また脳波計には,覚醒時や睡眠時のようにごく自然の脳活動に伴うものと,光や音などの刺激に
よって誘発された電位を記録する誘発脳波 (誘発電位図)とがある.
脳波計の構成
脳波計は,信号処理機能のデジタル化,データのファイリング機能,ネ、ットワーク接続機
能などをもち,さらにりモンタージュ機能 (脳波検査後に再度,自由にモンタージュの組み合わせ
ができる),リフィルタリング機能 (脳波検査後に再度,自由に各種フィルタの設定ができる),脳
波データの検索,脳波判読支援機能などのソフトウエアによる高性能・高機能が進み,従来のぺン
書き式の脳波計に対して,デジタル脳波計またぺ一パレス脳波計とも呼ばれている.
デジタル脳波計の基本構成
入力部の電極接続箱には電極ごとに増幅器を設げ,この出力を同時サンプリングし,デジタル信
号に変換(A/D変換器,l6bit) して脳波計本体に送る.脳波計本体はまさL<CPU部で,ここ
では2つの増幅器の出力を引き算処理して電極の組み合わせ(モンタージュ)を作成,変更(リ
フォーマット処理) したり,各種フィルタ(時定数:0.001-10秒で9 段階,高域:15〜300Hz
で6段階,ハム,筋電・心電などの除去フイルタ),感度切替(OFF, 200-1μV/mmで15段階)
などがデジタル処理され,ディスプレィ部(最大14CH),プリンタ部(インク書き,14CH)ま
た記憶装置(光磁気ディスク3.5インチまたは5インチ) に他の情報とともに送られる,
脳波計の性能は、JIS TI203に詳細に規定している.
基本性能
@入カインピーダンス :5MΩ以上
A直線性 :上下10 mm の範囲で土I0%以内
B最大感度 :0.4 mmルV 以上
C感度変化 :DC 土500 mV 入力L,10 mm の振れの変化が0.5 mm 以下
D記録可能最小入力 :2.5μ/Vp-p
E総合周波数特性 :1〜60 Hzで90〜110%
F時定数 :OI秒およひO3秒を備えること
G高域フィルタ :60 Hz で -3dB, 6dB/oct 以上
H雑音 :1〜60Hz の帯域で3//vp-p を超える雑音がI秒間にi回以内
I同相弁別比 :lOOO以上
誘発反応測定装置
誘発反応は,刺激の受容器から大脳内での感覚処理部までの神経系の働きを反映するので神経系
の障害の診断に利用される.
誘発反応による電位は,例えば音刺激によって誘発される聴性脳幹反応(ABR)で,通常の自
発脳波20μV程度の中に約0.5μVと非常に小さく識別するのが難しい.そこで,誘発反応測定装
置では刺激に同期して波形を加算する同期加算法を用い,その刺激に対する反応波のみを倹出する
方法がとられている.例えば,刺激信号に同期して自発脳波と誘発反応波の混じった波形をN回
加算すれば,刺激信号に同期して誘発される反応波の大きさはN倍になり,自発脳波は刺激信号
に同期しないランダムな波形と見なされ√N倍となる.すなわち,1000回同期加算すれば反応波を
認識できる割合は同期加算する前と比較し約31倍も向上する.
脳誘発反応の検査には,次の4 種類がある.
@音刺激を用いた聴性誘発反応検査
A電気刺激を用いた体性感覚誘発反応検査
B光刺激を用いた視覚誘発反応検査
Cその他,事象関連電位
脳波計性能
| 基本性能 | |
| @入カインピーダンス | 5MΩ以上 |
| A直線性 | 上下10 mm の範囲で土I0%以内 |
| B最大感度 | 0.4 mmルV 以上 |
| C感度変化 | DC 土500 mV 入力L,10 mm の振れの変化が0.5 mm 以下 |
| D記録可能最小入力 | 2.5μ/Vp-p |
| E総合周波数特性 | 1〜60 Hzで90〜110% |
| F時定数 | 0.1秒およひ0.3秒を備えること |
| G高域フィルタ | 60 Hz で -3dB, 6dB/oct 以上 |
| H雑音 | 1〜60Hz の帯域で3//vp-p を超える雑音がI秒間に1回以内 |
| I同相弁別比 | lOOO以上 |
心音計・脈波計
(1)心音計
心音計は,心臓の弁膜および大血管に由来する振動音を前胸部に置いた心音マイクロホンで電気 信号として捉え,C-Rフイルタで低音域の心音L (例,僧帽芽性遠雷性拡張期雑音,正常V音,
W音),中音域の心音 M1(機能性拡張期雑音,病的皿音),中高音域の心音M2 (多くの収縮期雑 音),高音域の心音H (僧帽弁閉鎖不全性収縮期雑音,開放音)というように,疾患に特徴的に現
れる心音を記録して,正常の心音と心疾患による心音とを判別するもので,弁膜症などの診断には 特に有用だといわれている. この心音マイクには,空気伝導形,加速度形,ペロッテ形とがあり,一般には加速度形
の心音マイクがよく使われている・だだし,加速度形は壊れやすいので,強い衝撃を与えたり,落 下させたりしないように取扱いには十分注意してほしい.
心音図は,心周期などを知るために,一般に心電図と併記する. したがって,心音計は 心音部と心電部とで構成される フイルタの特性(L,M1,M2,H)と心音と心雑音の強度(波線)を示しているが,この
2つが組み合わさり,低音域の心音(frL: 20-100 Hz),中音域の心音(中耳M :100〜200 Hz) 心音図(L, M1, Mz,
H) 中高音の心音(frM : 50〜300Hz),高音域の心音(frH:300Hz)が,その間の感度差 (-32dB~OdB)を補正して,略同振幅の心音図として記録される.
なお,記録器には600Hz以上の高域特性が必要となるので,古くは写真式やインクジェット式 のものが使われたが,最近ではサーマルレコーダが利用されている.
脈波計
脈波計は,心臓の収縮により血管内の匠力変化が末梢方向に伝わっていく波動を記録するもので ある.この波動による血管内の匠力変化をとらえたものが圧脈波であり,血管の容積変化をとらえ
たものが容積脈波である.匠脈波は,一般に頸動脈または大腿動脈の皮膚上からぺロッテ形の圧セ ンサで圧迫して得られ,容積脈波の検出は,手足の指先また耳架を対象に光学的な手法を用いて測
定するのが一般的で,これには透過形と反射形がある. 発光部には,酸化ヘモグロビンに最も良く汲収される近赤外波長で帯域の狭い発光ダイオード (LED)が,受光部にはフォトダイオードやフォトトランジスタなどが使われている.
脈波計は末梢血管障害の補助診断に以前はよく使われたが,最近では脈波から得られる心機能情 報の診断的価値は低いということで一般の臨床ではあまり使われなくなった.
しかし,原理・構造が簡単なので,トレーニソグ機器などの脈拍数計にはよく利用されている.
筋電図
歩いたり物をつかんだりできるのは,骨格筋と呼ばれる多数の筋肉の収縮・伸展が神 経系を通じた中枢からの指令により,うまく強調運動するからである.この筋肉が収縮する時に筋
繊維から発生する活動電位を記録したものが筋電図である. 筋電図検査では,被検筋に針電極を刺し,筋に力を入れない状態から強く収縮させた状態.まで種々の筋電図を記録する.
この記録から波形の形状,振幅,持続時間,発生頻度,またリズムなどを 計測し,障害が筋繊維自身なのか,収縮命令を伝える神経系の異常によるものか,また障害の範
囲,進行状態などを診断する.さらに、神経に皮膚表面から電気刺激を与えて筋活動電位を記録し、神経の 電動速度など求め神経系の異常の程度を調べる誘発筋電図検査を同時に行うこともある。
導出電極には,筋全体の活動状態を反映する筋電図および誘発電位の記録に皮膚表面電極が,筋 の神経・単一繊維の記録には主に同心針電極が使われる.
増幅器には,筋の発生電位が数10μV〜10mV,含まれる周波数も数I0〜数kHz と幅が広く, またこれを導出する針電極のインピーダツスも周波数によっても異なるが数10KΩ〜数100kΩで
ある,このため増幅器には高入力・低雑音・広帯域のものが要求される. 記録器には,これまで電磁オシログラフを利用していたが,最近ではサーマルレコーダの性能が
向上したこともあって,現像などの手間の要しないこの方式が主流になった. A-D 変換・加算平均部は,サンプリング周波数約50 kHz ・分解能12-16
bit のA-D 変換,知 覚神経伝導検査時などで雑音に隠れた誘発電位を分離するための加算平均処理部である. 装置の制御 (増幅器や刺激の設定,検査メニューなど)
は,すべて内蔵したCPUで行い,測定 データはフロッピーディスクやハードディスクなどの外部記憶装置に保存される. スピーカは,筋電波形をCRTなどで観測する一方,耳でも聞き取れるようにするためのもの
で,ベテラン医師になると音だげで診断がつくとも言われている, 電気刺激部(磁気刺激も含む)は,主に知覚神経伝導検査におげる誘発筋電図の記録に利用され,
電気刺激は,安全性および刺激時のアーチファクトを低減するためアイソレータを介して行われる.
筋電計の性能
| 基本性能 | |
| 入カインピーダンス | 10Mn以上,入力容量100 pF 以下 |
| 入力回路電流 | IXIO-8A以下 |
| 直線性 | フルスケールで土5%以内 |
| 感度変化 電源変動 | 90-110 V の範囲で,土10%以内 |
| 感度変化 分極電圧 | 土500mV重畳し, 士5%以内 |
| 土500mV重畳し, 士5%以内 | 2Hz〜10 kHz の範囲で,100Hzの振幅の70〜110%以内 |
| 通過濾波器 高域 | 2,5,lOHzの中からIつ,10, 20, 50 Hz の中からIっ100,200,500 の中からIつの遮断周波数を備える 低域 :1 kHz および10 kHz を含む1-2-5 系列に遮断周波数を備える |
| 雑 音 | 高域遮断周波数を最低位置に,低域遮断周波数を最高位置に設定し, 入力換算lOμVp-p を超える雑音が1秒間にI回以内 |
筋電計の性能はJIS T 1150に詳細に規定している,その基本性能を以下に示した.




