Category
<Toppage>
<医療機器修理業基礎講習>
<個人情報保護方針 >
<画像保存用フリーソフト>
<許可取得後の事項を変更した場合の届出>
<設置管理医療機器の第百七十九条第一項から第四項まで>
<電磁的方法>
<第百九十一条 事業所毎の文書の作成>
<基礎講習>
<責任技術者の資格要件>
<修理区分の別表第二>
<薬事法施行規則>
<周波数について >
<副作用並びに禁忌>
<原理 ・特長>
<電磁波障害の点検>
<マイクロ波治療器の内部>
<パルスマイクロ波治療器>
<マグネトロン>
<電気的性能の点検>
<真空管方式>
<ジアテルミ一>
<電波法と医療用周波数>
|1| 2 |3|4 |5|6 |7|8|9 |10|11 |12|13|14 |15|16| 17|18 |19|20 |21|22| 23|24| 25|26|27 |28|29| 30|31|32| 33|34|35| 36 |37|38|39| 40 |41|42|43| 44| 45|46|47 |48|49|50 |51 |52|53|54 |55| 56|57|58 |59| 60 |61|62| 63||64|65|66 |67|68|69|
高周波治療器
一般に周波数1OkHz以上の電磁波を高周波と呼んでおります、最初の電波の実験的発生は、ヘルツ(独)によって1887年になされました。
この電波を人体に作用させて治療効果を得ようとする研究は、ダルソンバール,テスラなどによりI9世紀末の頃から行われました。
その装置はテスラコイルと呼ばれる火花発振式のものでした。
1908年.ナ-ゲルシュミットはジアテルミ(Diatermy)と
呼ばれる瞬滅火花発振器を使用した治療器を開発し、
以来高周波透熱療法として臨床的に使われるようになりました。
わが国でも1912年にTYK式無線電話装置を開発した鳥潟は,大正時代には鳥潟式ジアテルミーを製作し、
国内で広く用いられました。
現在でも米国では後述の温熱用の高周波治療器をDiatermy と呼んでいます。
なおこの瞬滅火花発振回路は最近まで電気メスとして手術に使われました。
1906年、三極真空管が発明され、i913年には発振回路に組み込まれて,初めて電波を発生させ
ました。
その後、高出力の三極真空管がつくられて,ラジオ放送等に使われました。
昭和の初めには三極真空管発振器を使った電波治療器として超短波治療器がドイツで初めて創られました。
第二次大戦後,マグネトロン (磁電管)を使用したマイクロ波 (極超短波) 治療器が開発され、国内でも昭和40年代にはかなり普及し、現在では温熱電波療法の中心になっております。
電波法と医療用周波数
電波が人工的に発生できるようになって以来、主たる用途の電気通信の後を追うように医療にも利用されてきましたが、その干渉を防ぐ目的で、1947年アトランティック(米,ニュージョージャ州)に於げる国際会議
で周波数や変動の許容値が下記のように制定されました。
I3.56MHz (士0.05%)
27.12MHz (土0.6%)
40.68MHz (土0.05%)
2450MHz (土50 MHz)
通常これをISMC工業,科学,医療)バンドと呼んでいます。
わが国では昭和25年5月に電波法が制定されましたが、その中にこの内容が定められています。
同時に出力が50w以上の機器は許可制になりました。但し一般の医療機器は製造業者が厚生労働省(家庭用はその前に経済産業省の認可も必要)
の許認可を受げるのとは異な、設置者が許可を
受げなければなりません。
(電波法)
第一章 総則
第二条一
「電波」とは,三百万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう。
同 四 「無線設備」とは、無線電信、無線電話その他電波を送り、又は受げるための電気的設
備をいう。
第八章 雑則 (高周波利用設備)
第百条 左に掲げる設備を設置しようとする者は、当該設備につき、総務大臣の許可を受げなげればならない。
同 二 無線設備及び前号の設備以外の設備であって十キロヘルツ以上の高周波電流を利用するもののうち、総務省で定めるもの。
2 前項の許可の申請があったときは,総務大臣は,当該申請が (一部省略)技術基準に適
合し、且つ当該申請に係る周波数の使用が他の通信に妨害を与えないと認めるときは,これを許可しなげればならない。
電波法施行規則
第四十五条 法第百条第一項第二号の規定による許可を要する高周波電流を利用する設備を次のとおり定める。
一. 医療用設備
(高周波のエネルギーを発生させて、そのエネルギーを医療のために用いる。
ものであって、五十ワットを超える高周波出力を使用するものをいう)
第四十六条の二 高周波利用設備の設置者は、次に掲げる書類を当該設備の設置場所に備えつげておかなげればならない。
一.高周波利用設備の許可状
二.高周波利用設備の許可の申請書の添付書類並びに免許規則第二十九条第一項の変更の申請書の添付書類及び届書の添付書類の写し。
第四十八条 医療設備は、その設備の操作に伴って人体に危害を及はし、又は物件に損傷を与える
ことがないように、左の条件に適合していなげればならない。(省略)
分 類
現在高周波治療器として使われているものは、超短波治療器とマイクロ波治療器の二つに大別されます。
超短波治療器
1928年シュリファケ(独)は、三極真空管を用いた発振回路で、波長3mの超短波を発振させ、 生物学的効果について基礎研究を行いました。
この装置は前述のジアテルミー 装置に較べると、発
振が安定しており、周波数も単一で、電極板による火傷も少ないことから急速に普及し、ジアテルミ一装置に取って代わりました。
波長は6m程度のものが一般的になり、わが国でもI930年頃から製造され、1935年頃には十数社が製造に参加し 広く普及して治療に用いられました。
1955年頃になりテレビの普及が著しくなると、この治療器の電波がテレビ受信に障害を与えるという問題が起こり、出力が大きい機器では技術的にも、特に価格の点で、問題が解決できず、同年代後半から後述のマイクロ波治療器が代わって登場することになりました。
現在国内で製造されているのは出力は100w 程度のものですが、欧米では2〜300wのものが中心です。
構造・回路
最初の頃の超短波治療器は、真空管を1個使用した、自己整流、自励振回路のいたって簡単なものでしたが、
現在のものはテレビ障害を避けるために、水晶発振回路で安定した周波数の小出力の電波を発振させ、それを拡大増幅したもので、IC、トランジスタ等の半導体を使用しております。
出力部には障害となる不要な電波を取り除く濾波回路を含みます。
また面倒な同調調節を自動的に行う自動同調方式のものも開発されています。
わが国では周波数は医用、工業用に指定されている電波の中、変動の許容値の大きい27・12
MHzを使用していますが、米国では13.56MHzが多いようです。
原理・特長
人体に通電する電流の周波数が高くなると,刺激が少なくなり、10KHzを越えると感じなくなります。
従って大きい電流を安全に流すことができます。
抵抗体に電流を流せば、ジュールの法則によって発熱をしますが、人体も抵抗体ですから当然発熱をします。
しかし、超短波療法で体内に発生する熱の大部分は,高周波の特性である分予的電気マッサージ効果によるものであると考えられています。
人体を構成する有機物は分子が大きいのです。
そのため、分子全体では電気的に中性でも、分子
の両端で正と負の電荷が分かれていて,これを電気的双極子といい、こういう物質を有種物質とい
いますが、人体の構成物の60~70%といわれる水もその一例です。
また、有機物質でないものも、蓄電器の極板の間に置くと一時的に双極子となります。
普通の状態ではこうした物質が体内で適当に分散しているのですが、生体を電極内に置くと、それ迄パラバ
ラ勝手だった双極子の方向が、正の電荷を持つ極板方には負の極が向き、負の電荷を持つ極板方に
は正の極が向くように回転し、電気軸が揃うようになります。
ですから交流を通じると、極が替わる毎に双極子は方向を換えることになります。
交流の周波数が多くなるにつれて双極子の回転が激しくなります、そして与えられた電気工ネルギーの一部
が双極子回転に伴う摩擦熱に変わるわげです、周波数が多くなると導電体でなくても電流が通れるようになり,深部を均一に温める効果が生まれます。
これは他の温熱療法には見られない特色です。
ジアテルミ一では、皮膚に直接電極板を接触させたために火傷の危険がありましたが、超短波治療器では
電極板を誘電体損失の低い絶縁物、たとえばフエルトなどで包んで皮膚に当てて治療を行いますのでこの危険はありません。
光線療法、ホットパック等の温熱療法では体外の発熱源の熱を体内に入れるために皮膚の耐力の限度がありますが、超短波治療器では発熱体は人体そのものですから、生体の限度までは温度を上げられます。
この極限がハイパーサーミア装置で、厳重な温度管理のもとで癌の温熱治療を行います。
また最近ハイパーサーミアの研究の過程で解ったことですが、マイクロ波治療よりも超短波治療の方が深部
発熱が大きいということです。
このためか欧米ではマイクロ波治療器よりも普及しています。
超短液電流は導子に挟まれた体内を流れるわげですから、その間の組織に先ず発熱が起こりま
す、その中で特に脂肪組織が強く温められます。
脂肪組織など血流の少ないところは電気抵抗が大
きい上に熱の放散が少ないので、血管の発達している部分より、温度が上昇しやすいのです。
このようにして通電場所の組織や血液の温度が上がりますが、周囲の血流がこの熱を運び去りな
がら_ その局所の温度は勿論のこと、やがて全身の温度も上昇し、温度中枢が刺激ざれ血管拡張物
質が生成して、神経反射が起こり、放射機構が働いて、ついには全体的な生体調節機構が活動するようになります。
このような温熱作用は充血を伴い、末梢血管をかなりの時間拡張します。
また温熱の結果、新陳代謝が昂進され、血行がよくなり、鎮痛 ・鎮静作用が起こり、全身的にも軽い刺激が与えられます。
適応ならびに効能効果
作用機序としては人体そのものから発熱する温熱を利用して、温めれば治療効果のある疾患が総て適応となります。
温熱効果の作用機序は、血行やリソパの流れの改善にあるわげですから、これによって新陳代謝
が促進され、老廃物の除去が速やかに行われ、患部には十分な酸素が供給されるという結果になります。
ですから、慢性疾患の場合の鎮痛によく用いられます。
特に筋肉の関与するような疾患に対しては効果も期待できます。
具体的には腰筋痛・筋硬結・筋肉リウマチ・慢性の場合の関節リウマチ・変形性関節症・外傷性
関節炎・血腫・肩甲関節周囲炎・骨折・捻挫・脱白・打撲・腱鞘炎などです。
それから中枢神経性疾患としては、片麻痒、末梢神経疾患としては、神経痛・神経炎などが適応
になります。
呼扱器疾患では気管支炎、特に肺気腫に対して疾の排出を促すといわれます。
消化器系疾患では、げいれん・神経性便秘・開腹術後遺症・特に腸管癒着などの場合に極めて有
効です。
泌尿器疾患では腎血量が増加しますから、尿量の増加が見られます。
尿閉・慢性腎炎・輸尿管結石などです。
その他、無月経症・更年期障害・子宮発育不全による月経困難症などにもよいでしょう。
一口にいいますと、慢性柊痛性疾患や血行不全性疾患が対象です。
副作用ならびに禁忌
知覚神経の麻痒している患者には火傷の恐れがあるので禁忌です。
同じ理由で熱感を訴えられな い小児や、皮膚感覚の鈍っている老人には十分注意をして弱めに通電して下さい。
有熱性の病気や出血性の疾患・結核・悪性腫瘍などです。
また、急性化膿性の炎症や、代償失調状態にある心臓に直接かげるのもよくありません。
頭部や眼、睾丸などに照射するのは極力避げた方がよいでしょう。
その他妊娠時、月経時や動脈硬化も禁忌とされています。
ぺ一スメーカー装着者には内部の電子回路が障害を受げる恐れがあるので使用禁止です。
また金属関節等の体内金属を有する患者にはその部位及び近辺には使用しないでください。
治療上の注意事項
電極コードや電極板に金属を近づげたり、手を触れないようにすること。
熱さを堪えて治療を受げないように患者に注意をして下さい。
点検と修理の要点
注意:真空管方式の旧型器機では内部が数百ボルトから数千ボルトに充電されている場合がありますから、
内部に手を入れる場合は必ず必ず電源を切ること。
電源コードを引き抜いておくのが最も安全です。
1)清 掃
超短波治療器 は内部で消費する電力が大きいために、冷却空気が環流して内部に室内の塵挨がた
まります。
本体内部の挨や汚れの度合いを確認して,甚だしいときには清掃をします。
2)治療導子の状態の点検・修理
特にパッドとコードの接合部を引っ張って手触りで調べます、器機との接続プラグの嵌合の具合の点検をし、調節可能のものは適度の固さにします。
導子コードのひび割れ、劣化、ねじれ等の点検をし、甚だしいものは破棄して新品に交換します、導子類は消耗品です。
3)電気的性能の点検
必ず治療導子を接続して、重ね合わせてから電源を入れます。
ファンモーター、タイマの動作を目視で確認し,異常音がしないか、どうか調べます。
異常があればファンが配線等に接触していないか等確認し、不明の時は部品を交換します。
検波管により発振をしているかどうかを調べます。
交流電流計により入力電流を測定して記録し、前回の記録と照合し、あまりに差違があれば異常箇所がありますから慎重に点検して下さい。
出力調節ツマミを操作して出カメーターの動きが滑らかか、どうか調べます。
異常がなげれば,
電極板を体に装着して、治療時の熱感の強弱を体感で調べます。
4)電磁波障害の点検
他の電子機器への電波障害の影響の程度を調べます。もし影響があれば障害を受げる器機を離す か、電源の接続コンセントを別の所に代えます。
出カコードは隣接する低周波治療器等ののコード
と平行にならないように配置しなげればなりません。
修理の注意点
修理に際してほ各社の修理マニュアルを参照してください。
ユニットの調整には高度の技術と専用の機器が必要です、メーカーに返送して修理させて下さい。
マイクロ波治療器
第二次大戦は様々な科学技術を進歩させましたが、その一つにレーダーと呼ばれる電波兵器があ ります。
マグネトロン (磁電管)という一種の二極真空管を使用して、強力な波長の短いパルス電 波を発信させ、これを収束アンテナから放射して、その反射波を受信し、目的物までの距離を測ったり、形状までを測定する機器です。
このマグネトロンを医療に応用したのがマイクロ波治療器です。
但しレーダーに使用されるマグネトロンは殆どがバルス発振用ですが、医療用は連続波発振用で、周波数は前記ISMパンドの内、例外なく2,450 MHz
を使用しています、 家庭にある電子レンジも同じです。
昭和34年、テレビの契約台数が200万台を突破すると、それまで使われてきた超短波治療器の電波障害が顕著になり、一般家庭から医療機関への苦情が増えてきました。丁度この頃マグネトロンを使用した業務用の電子レンジが出現し、国産のマグネトロンが供給されるようになりました。
その出力は500W以上で医療用には強すぎるので、200W程度に抑えた医療用マグネトロンが業界の要望で造られました。
テレビ障害の無い2ー300W の水晶制御成の超短波治療器は構造が無線機並に複雑で、調整も難しくコストも高くなるのに較べ、マグネトロンを使用したマイクロ波治療器は部品点数が少なく、調整も簡単で、
治療時の面倒な同調調節が不要で、且つ電極板を患者に固定させる必要がないなどの数々の利点に加えて、
新製品であることと、深部到達が超短波治療器より
も優れている(実際は違っていたが)という宣伝で瞬く間に超短波治療器にとって代わりました。
現在は10万を超える台数が普及しているものど推定され、低周波治療器と並んで理学療法機器の双壁をなしています。
原理・特長
マイクロ波治療器に使用されるマグネトロンは出力200W程度、周波数2,450 MHz で大久磁石を使用しています。
マグネトロンは発振に必要なコイル、コンデンサーと二極管を構成する陽極及び熱陰極を一つのガラス管に封入した一種の二極管です。陽極と陰極に2,000
V程度の高圧を加えると陰極から陽極に電子が飛び出します。
この電子は直角に加えられている強力な磁界によって、陽極に達するまで回転する間に、一方の極はプラスになり、隣接する他方の極はマイナスになっているので、軌道を描きながら運動し、運動速度に比例して非常に高い電波を発生するのです。
マグネトロンの内部は、丸い穴と細い溝がコイルとコンデンサーに相当する部分で、この寸法が周波数や能率を決定する重要な要素となっています。
発生した電波は内部に封入されているへヤピン型のコイルに誘導して取り出され、これを同軸ケーブルに接続してケースの外に引き出します。
同軸ケーブルの他端はへリカル型、または、ダイポール型アンテナに接続され、そこから電波と して人体に放射されます。
このマイクロ波の波長は12Cmと短いのでアンテナ後方に反射板を置 くことにより、光と同じように反射収束させることが出来ます。
人体に放射された電波は、扱収されると発熱しますが、全部ではなく、ある程度反射もされます。
また、吸収は体表面が大きく、深部は順次少なくなります。
構造・回路
通常、筐体に、マグネトロン、電源回路、冷却扇、等を収容し、上面を操作パネルにするのが一 般的です。
マグネトロンと放射アンテナを同軸ケーブルで接続し、アンテナ支持器を側面に付げます。
適応患者数が多いので、同一施設で何台も使用されるために、設置面積を節減する目的でダブル 型にしたものも多用されています。
電源部はマグネトロンの陰極加熱変圧器と高圧変圧器、シリコン整流器、コンデンサーからなり、
I.000Vに昇圧した交流を半波倍圧整流してマグネトロンに印加します。
マグネトロンは陽極側 (外囲器)を接地しますから陰極が高電位になります。
点検・修理の場合動作中に手を触れぬよう に注意して下さい。
制御部は出力調節器に連動した出カゼロ開始安全回路、過出力遮断安全回路、出力調節回路、出 力表示回路等よりなっています。
出カゼロ開始安全回路は、治療器の電源の投入時および電源切断後の再投入時に、出力調整器が 最小の位置以外にある場合には出力が出ないようにして、不用意にスイッチを入れたときの事故を
防止します。
過出力遮断回路は、治療器の出力を徐々に増大したとき、規定の出力を越えた場合には出力を遮 断して安全を確保します。
出力は指針メーター、テジタル表示、或いは発光ダイオードによるバ一表示等によりパネル面に 表示されますが、いずれも出力の絶対値を計測してはおらず間接的な表示です。
ですから同一メー カーの同型の機器では、ほぼ同一表示値の時は同一出力になりますが、他メーカーの場合は異なります。
旧来のものには変圧器を1個使用し、巻線型可変抵抗器をマグネ、トロンに直列に接続して、出力を加減する簡易方式のものもあります。
また、これらの汎用機器の他に、耳鼻科専用の低出力の卓上用機器もあります。
パルスマイクロ波治療器
既に欧米では標準的になっているパルス型マイクロ波治療器が国内でも製造されるようになりました。
深部を治療する場合、出力を上げると、表面部分の温度が上昇して熱感に耐えられなくな り、無理をすると火傷を起こします。
そのためやむを得ず、出力を落とさなげればなりませんので 電波は深部に達しません。
そこで出力は落とさず、通電時間を短くすると、電波は深部に届きますが、通電時間が短いために表面温度はそれ程上がりません。
つまり、治療を行っている間中、細切れに最高出力を放射するのです。
具体的には機器の最高出力が200Wのとき、半分の100Wで治療すると従来のものでは 深部到達距離は半減しますが、パルス型ではけ2秒間は200Wを放射し,1/2秒間休止して、ま
た1/2秒間放射します。
これを治療の間中繰り返しますので、最高出力の時と同じ深さの深部に到達します。
治療時間を 倍にすれば最高出力で行ったと同じエネルギーを深部に安全に放射することができます。
勿諭切替 スイッチで従来のものと同様な使用もできます。
副作用ならびに禁忌
これも前節の超短波治療器と同じです。出力が大きいために急激に温度が上昇しますから、より 以上火傷事故を起こさぬように注意して扱ってください。
特に対象患者にほ高年齢者が多いので、 温度感覚も鈍っています。
出力を上げ過ぎないように十分に注意すること、患者に出力などを勝手 に調節させてはいげません。
成育中の骨端部に障害を与える恐れがあります。
小児への照射は注意してください。
睾丸機能は熱に弱いところですから、その周辺への照射には留意してください。
出血部位の加熱は更に出血を促進しますから禁忌ですが充血部も同です。
悪性腫瘍も避げてください。
妊娠中の腹部への照射も禁忌です。
治療上の注意事項
収束作用があるので眼部に過って照射するとき回復不可能な障害を与える恐れがありますから眼 部保護眼鏡が付属しています。
頭部、頸部等の近傍に放射するときには必ず装着して下さい。
ぺ一スメーカー使用者への照射は禁止です。
過って治療し、事故を起こしたことが報告されています、初めての患者には確認して、力ルテ等に記録しておくこと。
金属関節等を埋設している患者 も同じです。
汗をかいたり、濡れた衣類の上からは使用しないでください。
火傷を起こします。
金・銀糸を織り込んだり、刺繍した衣類は発火します。
又最近静電気防止のために金属ファイバ 一を混紡した作業衣があります これも同様に危険です。
また、導電加工をした衣類も危険です。
点検と修理の要点
この機器は内部に2.000ボルトに充電されている部分がありますから、内部に手を入れる 場合は必ず必ず電源を切ること。
電源コードを引き抜いておくのが最も安全です。
1)接地の確認
この機器は内部が高電圧に充電されています。
安全のために最も接地が必要な医療機器です。
点検に先立ち確実に接地されているかどうか確認します。
不良の場合はやり直すこと、不完全ですと思わぬ事故が発生します。
2)清 掃
マイクロ波治療器は内部で消費する電力が大きいために、冷却空気が環流して内部に室内の塵挨がたまります。
しかも内部に高圧部分がありますから、漏電、発火等が考えられます。
本体内部の 塵挨や汚れの度合いを確認して,甚だしいときには清掃をしますm
3) アンテナ支持器 (アーム)の点検
アンテナが任意の処に円滑に動かされるかどうか点検します。
必要に応じて注油をしますが、摩 擦板を使った関節部分は避げること。
4)同軸ゲーブル(アンテナケーブル)の点検
極端な曲がりがないかどうか点検します。
このような箇所は通電時に異常に高温になり、絶縁物 が軟化して内部導体と外部編組導体が短絡して発火する場合がありますから注意をしてください。
数分間運転してから手で触って調べ、他の部分よりも熱い場合には早めに交換します。
同軸ケーブ ルは他の電線類と異なり、不良個所を切断して繋ぎ換えることはできませんから必ず全体を交換し ます、短くつめてもいげません。
長期間使用していると内部絶縁物が硬化して曲がり難くなり、治療に困難を来しますから、この ような場合も交換した方がよいでしょう。
交換方法はメーヵーの指示書に従ってください。
5) アンテナ
落下させたり、強い衝撃を与えると内部のゴイルや、導体が歪んで適正な電波の放射が妨げられ ることがあります。
放射口の絶縁物にひび割れがあるときは、内部を点検してアンテナコイル等の 歪みを正すか、交換します。
6)電位開始回路の点検
この安全回路を有する機器は、出力調整器を半ばまで上げて置いてから、電源スイッチまたはタ イマを入れ、出力が出ないことを確認します。
不良の場合はメーカーの指示書に従って調整します。
7)過大出力防止回路の点検
この回路を有する機器は、出力調整器を順次上げてゆき、規定の出力を超えたときに出力が遮断されることを確認します。
不良の場合はメーカーの指示書に従って調整してください。
8) 出力の確認 マイクロ波の出力を現場で測定することは非常に困難です。
機器に付いている計器類の指示や、 実際に体にかげた温感で判定してください。
そのためにも定期点検の時に出力の最大指示値を記録 しておくことが必要です。
また電源入力電流も参考になりますから同様に記録しておきます。
購入してから数年使用し、徐々に指示値が下がり、温感が少なくなってきたような時にはマグネ卜ロンの劣化が考えられます、メーカーの指示書に従って同一のものと交換してください。
9) その他の箇所
最近の機器は制御回路に多数の半導体を使用しています、この部分の修理は困難ですからメーカ ーの指示のない限り手を出さないでください。
10)電磁波障害の点検
他の電子機器への電波障害の影響の程度を調べます。障害を受げる器機を離すか、電源の接続コ ンセントを別の所に代えます。
設置位置を変え、アンテナの向いている方向の反対側に被害機器を 置くようにすると効果的です。
粗悪な漏電ブレーカーの中にはマイクロ波で容易に誤動作するもの かあります。
機器メーカーに問い合わせて、誤動作をしない優良なものと交換してください。
超音波治療器
超音波とは耳には聞こえない領域の音波のことです。
通常人は16Hz以上16kHz以下の音が聞こえると言われていますが、普通は高域の方、即ち17kHz以上の振動波を超音波と呼んでいます。
超音波の存在が認識されるようになったのほ18世紀の終わり頃のことです。
第一次大戦中に潜水艦探知のために研究が開始されました。
水中や油中で超音波を発生させることは、1917年ランジュバン(仏人)が圧電発振器を開発したのが始まりです。
この超音波のエネルギーを洗浄、撹件、凝集等に工業的に利用する研究が世界各所でなされましたが、一方では医学 的な用途も研究されました。
1927年ウッド(米)等は動物での実験をし、翌年にはドイツでムルウェルトが耳硬化症の治療を試みています。
人体の各部位に自由に超音波を照射できる導子、即ち音導予は1939年頃ドイツで発明され、こ れを用いた超音波治療器が普及するようになったのは第2
次大戦後です。
1949年(昭和24)第一回国際超音波医学会がドイツのエラーゲンで開催され、生物学的効果、 臨床成績などについて多数の研究発表がありました、
わが国では昭和37年(1962) 5月第一回超音波医学研究会が順天堂大学医学部講堂で開催され ております。
初期の超音波治療器には主に水晶振動子が使用され、一部に磁歪振動子も使用されていましたが、使用に適した大型の天然水晶が枯渇し、昭和30年代にわが国では殆どチタン酸パリウム、ジ
ルコン酸鉛のようなセラミック製の圧電材料に変わりました。
治療用の周波数は初期には1MHzやそれよりも低いものが多かったのですが、現在は1MHzのもの及びIMHz と3MHzの兼用のものが殆どです。
発振方式も最初は連続発振のみでしたが、最近はパルス発振と、連続発振兼用のものが多くなってきています。
当初に記したように超音波は軍事目的で研究が始まりましたが、超音波パルスが、水中で直進し て目標物に当たって反射してくる性質を利用して、潜水艦や艦艇の探索用として第二次大戦中に発
達し、戦後はその技術は魚群探知機等の平和利用に活用されました。
更に医学的には人体内部の探索に用いられ、当初は胎児の診断等の比較的大きい目標物の診断・ 計測に用いられていましたが、現在では直径数ミりの初期肝臓癌の診断、及びそれへの局所注射による治療に用いられる程度まで精度が向上しています、これに使用する周波数は5〜7MHzですが、出力は100mW程度と微少です。
レントゲン装置などと違い、人体に無侵襲な重要な診断装置として今後益々多用されるでしょう。
また超音波の水や他の液体中での、振動撹絆工ネルギーを利用した超音波洗浄機が、工業、化学 分野で多数使われています。
家庭用には超音波加湿器やコンタクトレンズ洗浄器のような小出力のものがあります。
当章で記述する超音波治療器は出力2ow前後のものでありますが、手術器としては更に大きな 振動工ネルギーを発生させ、人体組織、結石の破壊などを目的としたものがあります。
原理 ・特長
トランジスタ等の発振回路によりlMHzまたは3MHz、30W程度の高周波を発振させ、これを2芯または同軸コードにより直径30mm程度の圧電素子轍に印加します。
圧電素子の固有振動 数と高周波の振動数が同調すると、共振して圧電素予の厚みが周波数に合わせて厚くなったり、薄 くなったりする厚み振動を起こします。
この振動は空気中ではすぐに減衰しますが、水中では振動面に直角にそれ程の減衰が無く進行します。
圧電素子を直接または適当な共振板に貼り付げて、人体にゲル等を塗布して空気層を排除して密着させると、組織に毎秒100万回 (周波数iMHzのとき)から300万回
(周波数3MHzのと き) の粗密波の振動を与えることができます。
組織に繰り返し加えられる圧縮と弛緩の振動は、生体分予間に激しい摩擦を起こすことになり、 その際に熱を発生させます。
また超音波は体内で高速マッサージをしているものと児ることができます。
この結果局所の物質 代謝を尤進させ,老廃物の扱収を促進させます。
つまり、元々は電気工ネルギーなのですが、これを機械的工ネルギーに変換させ、人体には機械 エネルギーとして作用します。
同じようにして、マイクロ波治療器や低周波治療器のように人体に通電、また は放射するのではなく、一種のマッサージ療法と温熱療法のような作用をします。
構造・回路
機器の大きさは大小ありますが、殆どは卓上型、または片手で提げられる可搬型です。
本体ケ一スの内部に電源部、発振回路、制御回路、表示回路等を収容し、上面または側面を操作パネルにしてあります。
電源部は絶縁型変圧器により交流電源を降圧、整流して安定回路を通して各回路に給電されます。
各回路はプリント板上にドランジスタ及びIC、抵抗その他の部品を装着して造られております。
発振回路には発振周波数を圧電素子の固有周波数に同調させる調節器を有しているのが一般的です。
制御部は出力調節器に連動した出カゼロ開始安全回路、過出力遮断安全回路、音導予過熱防止回路、出力調節回路、出力表示回路、治療時間設定回路等よりなっています。
パルス兼用器はここに パルス変調回路を含んでいます。
出カゼロ開始安全回路は、治療器の電源の投入時および電源切断 後の再投人時に、出力調整器が最小の位置以外にある場合には出力が出ないようにして、不用意に
スイッチを入れたときの事故を防止します。
過出力遮断回路は、治療器の出力を増大したときに、
規定の出力を超えた場合に出力を遮断して安全を確保します。
過熱防止回路は音導子が人体に密着していないとき,圧電素子に送られてくる高周波工ネルギーが音波に変換されて出て行くことがで きず、無駄に圧電素子の温度を上げるので、高周波の入力を押さえて、温度上昇を防ぐ回路です。
出力は指針メーター、デジタル表示、或いは発光ダイオードによるバ一表示等によりパネル面に表示されます。
単位はw/cuまたは総W数を用います。
いずれも出力の絶対値を計測してはおらず間接的な表示です。
ですから同一メーカーの同型の機器ではほぽ同一表示値の時は同一出力になりますが、他の型式の場合は多少異なります。
本体に接続するコードの一端が圧電素子に接続され,素子は人体に接する共振板の裏側に接着してあります。
音導子の接触部の直径は一般用は30mm前後ですが、局所用として10mm程度のものもあります。
鎖骨、指など狭い範囲の治療に用います、また絨灸的な経穴治療にも適しています。 二周波の機器では高低別々の音導予を使用するのが一般的です。
水中での照射を行うために、一般に音導子はコードの途中まで水に漬けてもよいように防水処理 がしてあります。
治療法及び注意事項
組織に強力な超音波を照射すると、空洞現象 (キャビテーション,cavitaton)が起こります。
これは血液や体液の中に隙間を生じ、組織を破壊するものです。
こういう現象を抑えるために音導子を移動せずに治療を行う時には低めに出力を設定してください。
決して強すぎないように注意すること。
超音波は,空気層を透過しませんから、必ず皮膚面に専用のゲルや流動パラフィンを塗布して空 気層を除去して密着させること。
音導子を常時動かすことが大切で、1箇所に止めておくと、局所の熱上昇が急激で痔痛を訴えることがあります。
常に患者の不快感に注意して導子を小さな円運動をするように動かします。
移動範囲は音導子面 積の2倍以内に止めて下さい。
不快感、疼痛を訴えた場合には治療を中止するか、出力を下げてくささい。
このようなとき、通常の連続波ではなく、後記するパルス波を用いれば、熱を押さ 期待できます。
手,足の指関節の治療 (ヘバーテン結節等)等には水中で治療する方法も行われています。
副作用並びに禁忌
1) 眼:晶子体にキャビティーションを起こすと永久障害になりますから、眼周辺の照射に当た っては十分な注意を要します、
2) 悪性腫瘍:治療効果がないばかりではなく、超音波の刺激が腫瘍の発育を促したり、転移を 促進する可能牲があります。
3) 虚血部位:血管性疾患などで虚血状態を示している部位は、血流による熱の移動が不完全になり、局所過温を招く恐れがあるので、十分な注意を要します。
4) 麻痒患者:使用中は全く患者の知覚が頼りであるため、知覚麻痒のある患者の急佳炎症には 禁忌です。
5) 子供:前項の理由と、特に発育途上の骨には不可逆的な障害を与えることがありますので十分な注意を要します。
6) 温熱療法が不適当な急件の炎症疾患・但しパルス超音波で温熱を押さえれば可。
7) その他出血素因のあるとき、妊娠中の腹部、脳,生殖器、脊髄等には十分な注意を払いなが ら照射を少なくするのが原則です。
周波数について
従来周波数は1MHzが主として使われていましたが、これはこの周波数が組織への浸透度及び 温熱効果、非温熱効果が適度に得られる妥協点として設定されているにすぎません。
また製造する 側から見れば水晶の厚みが約3mmで扱うにも適度の厚みだったのです。
これより厚くなれは材料が得難く、薄げれば貼り付げなどの加工の破損が増えます。
一つの周波数と限定した場合には IMHzが色々な点から良かったのです。
1MHzと3MHzを較べてみると、その半価層値(力が半減する厚み) は23mmと76mmで 1MHzの方が深部に到達します。
また骨の奴収係数は筋の10倍です。
ですから浅部に骨のある指 などでは,3MHZの方が骨までの間でより多くのエネルギーが扱収されるだげではなく、より安全な治療が行えます。
治療部位が深い場合はIMHZを、浅い場合は3MHZを使い分げで治療を行うのが最も理に叶 った方法といえるでしょう。
パルス超音波治療器について
超音波を断続発振させて、人体に作用させると、温熱作用で上がった組織温度は、休止期間中に 血流で流されて元に戻ります。
超音波の温熱作用も音圧作用と共に新陳代謝促進作用と神経束り激作用があり、両者の相乗効果は 大きいのですが、それと共に症状に応じた二つの作用の使い分げが必要になります。
一般に超音波は急性疾患では禁忌になっていますが、これは温熱作用であって音圧作用ではありません。
従って 急性疾患の場合はパルスモードにして、温熱を押さえて新陳代謝促進を行ってください。
実際にス ポーツ選手の場合などはパルスモードを活用して早期復帰を果たしています。
早期の場合ほど休止 時間を長く設定し、徐々に連続モードに近づげます。
点検の要項
1) 出力の判定
超音波治療器の出力測定は、温度上昇から測定するものと、音圧を電子天秤で測定するものとがあります。
いずれも特殊なもので振動を嫌い,現場での使用は困難です。
通常振動面に水滴を乗せて、その霧化状態を目視により判定します。
また、新品での正常に動作する機器の霧化状態を覚えておいてください。
2) 音導子
(1) 音導子コードの点検:出力が不安定、又は断続する場合には、本体に接続する部分、及び音導子の根本の部分に極端な曲がりがないか調べます。
その辺を曲げたり引っ張ったりして出力に変化を生じるときにはコードの断線のしかかりか機器 と接続するコネクターの不良です。
一応開げられる型式のコネクターは、開いてハンダ付けが外れ ていないかどうか確認します。本体より直接引き出されている型式ではメーヵーに送付して点検,
修理を受げること。
(2) 振動子、振動板:振動板表面を清掃し、平滑にしてください、また異常に熱くなるときは接 着のはがれかかっていることがあります。
(3) 出力の低下:長期間使用していると、振動予が劣化することがあります。
メーカーへ返送します。
3) 本体の点検
(1) 数十W の電力を内部で消費しますから空気の環流で塵挨が溜まっています。甚だしいときには丁寧に掃除をしてください。
(2)音導予を接続して振動面に水を載せ、出カゼロ開始安全回路、過出力遮断安全回路、音導子過熱防止回路等が所定の動作をするか確認します。
同時に出力が滑らかに上昇するかどうかを霧化 の状況と指示器から判定します。
タイマ回路その他の付加回路も動作を確認してください。
修理上の注意点
修理に際しては各社の修理マニュアルを参照してください。
やむを得ないときは下記を参考にして下さい。
(1) 超音波が全く発生しないときは本体に原因があるのか、音導子に原因があるのか確定します。
(2)電源コード、ヒューズ、電源スイッチなどの共通の故障を除き、本体内部の修理はメーカー マニュアルに依らなげれば不可能です。
(3)音導子の故障も現場での修理は不可能です。
(4)出力の正確な測定はメーカーの試験室以外ではできません。
注記:圧電素子とは水晶、電気石、及びチタン酸バリウム、ジルコン酸鉛等のセラミックの総称で、機械的エネルギーを与えると電気に変換します。
身近に使われているマイクロホン、 送話器、電子ガスライターに利用されてます。
またこれらの素子に逆に電気を与えると歪みます。
この利用が電子ブザーや受話器です。
超音波治療器もこの利用をしています。
超音波診断装置では探測子に最初はパルス電気を与えて振動を発生させ、反射してくる波 のエネルギーを同一探測予で受げて電気工ネルギーに変換させています




