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保 育 器
| 保育器の動作原理 |
| なぜ保育器は必要か、人類のような恒温動物は、外部環境から独立して体温を一定に保つことができる。 |
| 体温を一定に保つことは熱産生と熱損失のバランスにより行われているが、未熟児、新生児はこの体温調節機能が未発達であり、適応できる温度範囲も狭い。 |
| 保育器は未熟児、新生児の熱バランスのうち、熱損失を少なくするための機器である。 |
| 熱損失の要素のひとつに蒸泄 (蒸発)がある。 |
| 特に未熟児、新生児は、体からの水分の蒸発により熱を奪われやすい。(未熟児の場合、皮膚が薄く、不感蒸泄量が多い。) |
| このため、保育器により未熟児、新生児の保温が必要となる。 |
| 熱損失は一般に輻射、対流、蒸発、伝導により行われるが、保育器はこのうち輻射と対流、蒸発による熱損失を少なくすることにより保温を行う |
| 体温損失の4つのパターン |
| 輻 射 |
輻 射:児の体温と、その周囲の物体との間の熱線のやりとりによって児の体温を奪うもの |
| 対 流 |
児の体に直接触れた空気により、じかに児の体温を奪うもの |
| 蒸 発 |
児の体から蒸発する水分の気化により児の体温を奪うもの |
| 伝 導 |
児の体が触れているところから熱伝導により体温を奪うもの |
| 輻射による熱損失は主に、保育器器内温と外気温の温度差によるものである。 |
| 保育器内と保育器のフードと外気の温度勾配にの関係、外気温が低いと温度勾配も大きく、フードの温度が下がるため、熱損失も大きい。 |
| 特に屋外搬送などで外気温が低いときは注意すべきである。 |
| 2重のフードにより保育器内とフードの温度勾配を小さくしたダブルウォールインキュベーターがある。 |
| 低出生体重児 |
| 低出生体重児とは,出生直後の体重が2.500g未満の児をいい、体温調節能力が不充分で、体温
が環境温によって左右されやすい児である。 |
| したがって、保育器により適正温度が維持された環境
におく必要がある。 |
保育器の種類
| 保育器は、定置型保育器、運搬用保育器、開放式保育器、定置型乳児用放射加温器、移動型乳児
用放射加温器、乳児局所加温装置に分げられるが、主な保育器の特長と目的は以下のとおりである。 |
| 1)定置型保育器 |
| フードと空気循環制御部から成り、児の至適環境を作るために、フード内の温度、湿度、酸素濃 度をコントロールする。 |
| SpO2・体重モニターの備わった機種もある。 |
| 機能 |
| ○ |
強制対流方式なので、器内温の制御がしやすい。 |
| ○
|
加湿が可能 |
| ○
|
酸素投与が可能 |
| ○
|
感染防止が可能 |
| ○
|
SpO2の監視が可能 |
| ○
|
体重の計測が可能 |
| 役割 |
| ○
|
低出生体重児の体温維持 |
| ○
|
適正環境湿度の維持 |
| ○
|
低酸素症の児への酸素投与 |
| ○
|
感染の危険からの隔離 |
| ○
|
疾患など観察を要する児の収容 |
| ○
|
動脈血酸素飽和度で児の呼扱機能の確認 |
| ○
|
児の体重計測による健康状態の把握 |
| 2)開放式保育器、定置型乳児用放射加温器、乳児局所加温装置 |
一般にインファントウォーマーと呼ばれ、上部のヒーターにより児の体温をコントロールする 開放式なので,
治療時の処置性にすぐれている。 |
| 機能 |
| ○
|
輻射熱方式なので、速やかな加温が可能 |
| ○
|
様々な処置を行いやすい。 |
| ○
|
SpO2の監視が可能 |
| 役割 |
| ○
|
分娩時などの処置 |
| ○
|
低出生体重児の体温維持 |
| ○
|
動脈血酸素飽和度で児の呼扱機能の確認
|
| 3) 運搬用保育器 |
| 基本的には定置型保育器と同じであるが、運搬時の児の至適環境を維持するための装備として、
駆動用バッテリーと酸素ボソべが搭載されている。 |
| 機能 |
| ○
| 運搬向きにコンパクトである。 |
| ○
| 充電バッテリーで駆動可能 |
| ○
| 酸素ポンべの携帯で、酸素投与も可能 |
| 役割 |
| ○
| ハイリスク新生児の運搬 |
| ○
| 低出生体重児の体温維持 |
| ○
| 適正環境湿度の維持 |
| ○
| 感染の危険からの隔離 |
動作原理
| 1)定置型保育器 (空気循環式) |
| 外気と酸素はフィルターを通して器内へ循環ファンにより取り入れられ、器内吹き出し口に至る
経路の途中でヒーターにより暖められる。 |
| つぎに暖められた空気は蒸気発生口から吹き出す蒸気に
より加湿される。 |
| このようにして加温・加湿された空気が器内吹き出し口より児の収容された器内を流れ、再び空 気吸い込み口から循環ファンのところに戻るという繰り返しをする。 |
| このとき器内の空気の温度、湿度、酸素濃度を各々のセンサーで感知しながら一定に制御するフ
ィードバック制御が行われ、至適環境を維持する。 |
| また、フードの処置窓の内側の下方向から、空気が吹き出すため、処置窓を開けたときにエアー
カーテンを形成し、処置窓を開げたときに器内の暖気が器内に出にくくする。 |
| さらに、循環ファンにより常に外気を取り入れているので、手入れ窓などから器外の汚染された
空気が器内に入ることを防ぐ効果がある。 |
| 2)開放式保育器,定置型乳児用放射加温器,乳児局所加温装置 (輻射式) |
| 児の体温をコントロールするヒーター部、温度をコントロールする制御部、処置台から成る。 |
| ヒーターは輻射効率が高いファインセラミック赤外線ヒーターを使用している。 |
| 児の体温は皮膚に装着した体温プローブで検出する。 |
| ヒーター出力はマニュアルコントロール方式、あるいはサ一ボコントロール方式で調整できる。 |
| 処置台は、処置がしやすいように傾斜角度が変えられる。 |
| 3)運搬用保育器 (空気循環式) |
| 基本構造は定置型保育器と同じである。 |
保育器の制御方法
| 児の至適環境を維持するために温度、湿度、酸素濃度を制御している
ここでは、特に温度と酸素濃度の制御について述べる。 |
| 温 度 |
| 設定した器内温を維持するように自動制御するマニュアルコントロール方式と、児の体温を設定
値に維持するように器市温を自動制御するサ一ボコントロール方式がある。児の体温は皮膚に装着
した体温プローブで検出される。 |
| 酸素濃度 |
| 器内の酸素は、パイピングまたは酸素ボンべから供給し、内蔵の酸素コントローうで希望の濃度
に制御する方式と、酸素流量計で供給酸素流量を設定して制御する方式がある。 |
| @始業点検事項 |
| ● |
電源コード、電源プラグに断線や破損がないか、またほこりなどが付着していないか。 |
| ● |
電源プラグが電源コンセントに正しく接続されているか。 |
| ● |
保育器のブレーカーが遮断していないか。 |
| ● |
本体、湿度槽、処置窓、その他のパッキンが正しく取り付げられているか。 |
| ● |
吹出し上板が正しくセットされているか。 |
| ● |
エアー・フィルターが目詰まりしていないか。また正しく装着されているか。交換日を過ぎ
ていないか。 |
| ● |
カートリッジに充分な滅菌蒸留水が人っているか。 |
| ● |
直射日光が当たっていないか・また冷暖房器具のそばに設置されていないか。 |
| ● |
爆発性のガスの雰囲気中に設置していないか。 |
| ● |
引火の原因になるものを室内においていないか。 |
| ● |
児を収容する前に、適度な器内温になっているか確認したか。
|
| A使用中点検事項 |
| ● |
ファンが確実に回っているか。 |
| ● |
表示部の表示が確実に表示されているか。 |
| ● |
温度が確実に上がっているか。 |
| ● |
湿度が確実に上がっているか。 |
| ● |
オムツやシーツが吹出口や扱込口に置かれていないか。 |
| ● |
酸素投与中は、酸素濃度の監視を行っているか。 |
| ● |
処置窓、手入れ窓の開閉後は確実にロックされているか。 |
| B終業点検事項 |
| ● |
手入窓用カバー、パッキン類を洗浄・消毒したか。 |
| ● |
清拭・消毒した部品を組み込む前に、破損やヒビがないか確認したか。 |
| ● |
次回の使用に即応できるように点検し、清潔な場所に保管したか。 |
| 開放式保育器、定置型乳児用放射加温器、乳児局所加温装置 |
| @始業点検事項 |
| ● |
源コード、電源プラグに断線や破損がないか。またほこりなどが付着していないか。 |
| ● |
電源プラグが電源コンセントに正しく接続されているか。 |
| ● |
ブレーカーが遮断されていないか。 |
| ● |
直射日光が当たっていないか、また冷暖房器具のそばに設置されていないか。 |
| ● |
ベビーガードが確実にロックされているか。 |
| ● |
児の収容の前に、充分にマット面が加温されているか。 |
| ● |
照明灯は確実に点灯するか。 |
| A使用中点検事項 |
| ● |
示部の表示が確実に表示されているか。 |
| ● |
設定体温が維持されているか。 |
| ● |
の様予を監視しながら,医師の指示に従って熱量調節をしているか。 |
| @始業点検事項 |
| ● |
電源コード、電源プラグに断線や破損がないか、またほこりなどが付着していないか。 |
| ● |
電源プラグが電源コンセントに正しく接続されているか。 |
| ● |
保育器のブレーカーが遮断していないか。 |
| ● |
搬送に備え充分に充電がなされているか。 |
| ● |
処置窓、その他のパッキンが正しく取り付けらてているか。 |
| ● |
ケーシング、中床,臥床台は正しくセットされているか。 |
| ● |
エアー・フィルターが目詰まりしていないか。また正しく装着されているか。 |
| ● |
加湿用スポンジに充分に蒸留水が湿してあるか。 |
| ● |
直射日光が当たっていないか。また冷暖房器具のそばに設置されていないか。 |
| ● |
爆発性のガスの雰囲気中に設置していないか。 |
| ● |
引火の原因になるものを室内に置いていないか。 |
| ● |
オムツやシーツが吹出口や扱込口に置かれていないか。 |
| ● |
児を収容する前に医師の指示する器内温になっているか確認したか、 |
| A使用中点検事項 |
| ● |
表示部の表示が確実に表示されているか。 |
| ● |
●温度が確実に上がっているか。 |
| ● |
オムツやシーツが吹出口や奴込口に置かれていないか。 |
| ● |
酸素投与中は、酸素濃度計などで酸素濃度の監視を行っているか。 |
| ● |
手入れ窓の開閉後は確実にロックしているか。 |
| B終業点検事項 |
| ● |
手入れ窓用カバー、パッキン類を洗浄・消毒したか。 |
| ● |
加湿用スポンジを交換したか。 |
| ● |
エアー・フィルターは古くなっていないか。 |
| ● |
清拭・消毒した部品を組み込む前に、破損やヒビがないか確認したか。 |
| ● |
いつでも使用できる状態にしておくために、電源プラグを電源コンセントに接続し、加温し
ているか。 |