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<改正薬事法(平成17年4月施行)における分類>
<輸液ポンプ>
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輸液ポンプ
| 輸液ポンフ の目的と用途 |
| 薬液を体内に注入するためには注射が行われるれる。 |
| 注射器を用いて一時的に行う注射には静脈注 射、皮下注射、筋肉注射などがあるが、長時間にわたり持続的に薬液を投与する方法としては点滴静脈注射や中心静脈栄養法が一般的である。 |
| 1)薬液の注入速度が正確である。 |
| 2)注入速度が一定であり、安定している。 |
| 3)輸液ラインの気泡混入や閉塞状態等を検出して警報を発する安全機能がある。 |
| く輸液ポンプの応用例 > |
| 動脈内汗入、モニターライン維持、造影剤注人。 |
| 経腸栄養剤の投与。 |
改正薬事法(平成17年4月施行)における分類
| 改正薬事法の施行前の分類では「輸液ポンプ」という一般的名称で括られていたものが、改正法 では分類方法が見直され、機能や用途に応じて10種類以上の一般的名称に細分化された。 |
| 代表例として、「汎用輸液ポンプ」と「注射筒輸液ポンプ」の薬事法上での定義を下記に示す これらのグラス分類は「クラス皿」(高度管理医療機器)で,特定保守管理医療機器に該当する。 |
| く改正薬事法での分類(代表例)> |
| 溶液を非常に正確な容量かつ一定速度で投与する必要がある場合に用いる装置を いう・低流量設定と流量変換のため、特に新生児、乳児、重体患者の治療で、少 量の高濃度の医薬品を長時間にわたって投与する場合に適している。硬膜外麻酔 の投与にも用いる。 |
| ここでは、「汎用輸液ポンプ」と「注射筒輸液ポンプ」を中心とし、作動原理、基本的構造、 安全機能、保守点検手順等について説明する。 |
輸液ポンプの作動原理
| 輸液の方式 |
| 輸液の方式は,自然落下方式とポンプ方式に大きく分かれる。 |
| 自然落下方式は、薬液容器の高さ と注入部位(患者の穿刺部位)との落差による匠力を利用したものである。 |
| そのため,薬液の減少 や患者の体位変動による落差の変化や、輸液ライン内の圧力変動が薬液の流量に影響を与える。また、同じ落差であっても、輸液ラインの状態(回路の長さや太さ、ローラークレンメの締まり具合等)や薬液の粘度による送液抵抗の違いにより流量が変化する。 |
| ハーゲン・ポアズイユの式 |
| 管の中を流れる流体の流量は、管の両端の圧力差に比例し、抵抗の大きさに反 比例する。 |
| 自然落下方式のひとつとして輸液コントローうーによる輸液がある。 |
| 薬液の落差による圧力のみ を利用し,薬液の滴下間隔を検知して自動的にクレンメの開き具合を調節することによって,流量 を一定に保つように制御する。 |
| これに対して,ポンプ方式はポンプの駆動力により発生する陽圧を利用して薬液を送液するため、安定した流量を得ることができる。 |
| 特に、微量の薬液を持続的に輸液する場合や、落差だげで は得ることができない高流量での急速輸液、輸液ラインの内圧が高い場合などにはポンプ方式での 輸液が不可欠である。 |
輸液ポンプの駆動部の送液機構による区分
| 輸液ポンプの送液機構には、ぺリスタルティック式(フィンガー方式、ローラ ー方式)とピストン式(カセット方式、シリンジ方式)がある。 |
| ペリスタルティック式は、輸液ポ ンプとして最も一般的な方式である。 |
| なお、シリンジ方式は改正法での分類におげる「注射筒輸液 ポンプ」に相当するが、一般的にはシリンジポンプと呼ばれており、他の方式の輸液ポンプとの区 別がしやすいよう,以降の説明ではシリンジポンプと記載した。 |
| 駆動部の送液機構 |
| ペリスタルティック式 | フィンガー方式 |
| ロ一ラー方式 |
| ピストン式 | カセット方式 |
| シンリンジ方式(シリンジポンプ) |
| それぞれの方式に特徴があり、用途、薬液の注入速度、薬液の種類などに応じて選択する。 |
| ○フィンガー方式 | 薬液が満たされた輸液セットのチューブをフィンガーと呼ばれる部品でしごいて送液する方式である。モーターの回転運動は力ムによりフィンガーの前後運動に変換される。フィンガ と加圧板との間にチュ ブを挟みこみ、フィンガーによって上方から下方へとチューブをしごいて送液する。 | |
| ○ローラー方式 | 回転する口一ラと固定されたステーターの間にチューブを挟み込み、ローラーでチューブをしごいて送液する方式である。 ローラーの数は2〜5個が一般的である。 | |
| ○カセット方式 | 輸液回路の中間にカセット式のピストンシリンダーがあり、ピストンの動作と連動して流路を切り換えることにより、薬液の扱い込みと送り出しを交互に行う方式である。 | |
| ○シリンジ方式 (シリンジポンプ) | 薬液を満たしたシリンジをポンプに装着し、シリンジの押し子を一定の速度で押すことにより送液する方式である。 | |
輸液ポンプの基本動作
| 輸液ポンプは医療機関内で最もポピュラ一な医療機器のひとつである。 |
| そのため、取り扱い方法や管理方法を安易に考えやすいが、トラブルの内容によっては患者の生命にかかわることも起こり得るので、基本動作とその原理を十分に理解し,安全な管理を実行する必要がある。 |
| 輸液ポンプは,薬液の送液量を設定値に合わせて一定に保つための制御方式により「流量制御型」と「滴数制御型」の2種類に大別される。 |
| これにシリンジポンプを加えた3種類について基本動作を説明する。 |
| 制御方式の違いによる比較 | ||
| 項目 | 流量制御型 | 滴数制御型 |
| 輸液セット | 専用セットのみ | 汎用(一般用)セットも使用可 |
| ドロツプセンサー | 流量制御上は必要ないが、安全上付けた方が 良い | 原理的に絶対必要 |
| 流量のハラツキ(脈流) | 比較的少ない | 多少見られる |
| 輸液の成分による誤差 | 原理的に無視できる | 液滴の大きさが変わると誤差になる(例高 濃度のフドウ糖液では輸液量が減少する) |
| しごく部分のチユーフの径 の変化による誤差 | 径の変化は直接誤差につながるので、時々し ごく部分を変える。 | 滴数で制御しているので、流量制御型ほどは 誤差にならない。 |
| ○シリンジポンプ (注射筒輸液ポンプ) |
薬液を満たしたシリンジの押し千を機械的に押して、微量での持続注入を行う。輸液総量に制限 のある小児への輸液にも使用される、まだ、あらかじめ薬液が充填されたシリンジ (プレフィルド シリンジ) の中には,シリンジポンプと組み合わせて使用できるものもある。 組み合わせて使用できるシリンジのサイズは主に5-100mLの範囲で,機種によって異なる。 シリンジの装着は,フランジ部分をスリットに入れ、押し子部分を駆動部のスライダーに固定し て行い,シリンジのサイズはクランプの位置により自動的に検出される。 1 時間当たりの流量 (mL/h)を入力して輸液を開始する。 シリンジ内の薬液量が残り少なくなると残量警報が出る。 輸液ポンプと同様に、バックアップ用のバッテリーが内蔵されている。 |
安全機能
輸液ポンプおよびシリンジポンプの警報機能のうち、 主なものは下記の通りである。
| 輸液ポンプの主な警報機能 | ||
| 警報の種類 | 内容 | センサー方式 |
| 気泡警報 | チユーフの中に気泡(空気)が流れてきたことを検出した | ・超音波 ・光センサー |
| 閉塞警報 | 針先の詰まりやチコーブの折れ、クレンメの開け忘れ等により、チユーブ内の庄力 が上がつたことを検出した | ・磁気センサー ・感圧素子 |
| ドア警報 | ドアが開いたことを検出した | ・磁気センサー |
| ハツテリー警報 | 内蔵バッテリーの残量が少なくなつたことを検出した | ・電子回路 |
| 流量異常警報 | ドロップセンサーが、滴下滴下間隔の異常を検出した | ・光センサー |
| 空液警報 | ドロップセンサーが、滴下がなくなつたことを検出した | ・光センサー |
| 完了警報 | 積算量が予定量に到達した | ・電子回路 |
| 開始忘れ警報 | 輸液が開始されない状態で放置された | ・電子回路 |
使用上の注意事項
- ポンプに付属している「添付文書」と「取扱説明書」をよく読んでから使用すること。
- 必ず、指定の輸液セットまたはシリンジを組み合わせて使用すること。
- ポンプの安全機能を過信せず、常に患者の状態を監視すること。
- 輸液開始時および開始後も定期的に下記の事項を確認すること。
- 1)ボンプの流量設定値、およびその他の設定値
- 3)輸液ラインの接続状態、および患者の穿刺部位
- 4)薬液の減り具合
- 薬液が付着した場合は速やかにふき取ること。
- 緊急時に備え、内蔵バッテリーは常に満充電された状態にしておくこと。
- 医療機関内での携帯電話等の通信機器の使用については、厚生労働省および総務省の指針に従 うこと。
- ポンプの特性と性能の限界を理解した上で使用すること。注意を要する一例を下記に示す。
1)血管外への薬液の漏出は検出できない。
2)特に低流量で使用した場合、閉塞状態を検知して警報を発するまでには時間を要する。
3)表示される積算量は実測値ではなく、流量設定と輸液時間に基づいた計算値である。携帯型ディスポーザブル注入器(PCA)
専用PCA用装置2)原 理 専用のPCA用装置には、微量の薬液をためる薬液リザーバが内蔵されており、接続された携帯 型ディスポーザブル注入器によって充填される。 PCAボタン (薬液投与ボタン)を押すと、この 薬液リザーバ内の薬液が流出する。 薬剤の最大投与量は、携帯型ディスポーザブル注入器と薬液の 濃度により調節できる 。 輸液ポンプの保守点検
定期交換部品(例) 部品名 耐用年数 交換の目安 バッテリー 1.5年〜2年 充電しても短時間でハノテリー警報表示が点滅しフザ一が鳴る。 (次回交換時期の目安が本体に貼付されている。) モーターユニット 2年〜3年 流量の異常、動作中に異音が発生する。 ドアシールドゴム 2年〜3年 破損、変形がある。(輸液ポンプ) ブーツ 2年〜3年 破損、変形がある。(シリンジポンプ) 輸液ポンプの保守点検(例) 使用前の点検方法(毎回) 毎回の使用前に、下記内容を確認する。 @本体およびボールクランプ、ドアヒンジ等に破損等がないこと。 薬液固着している場合は、すみやかに拭き取ること。 Aドアを開けたまま、内蔵バッテリーにて電源を入れるとセルフチェウク動作を行うこと。 このとき、エラー表示等の異常を示す動作が発生しないこと。 1.すべての表示ランプが点滅する。(表示の欠げ等がないことを目視で確認) 2. フィンガーが少し動く。 3.警報ブザーが鳴動する。 BAC電源に接続すると、[AC/DC]ランプが点灯すること。 Cチューブクランプを解除し、ドアを閉めて開いたとき、チューブクランプが閉じていること。 D[開始」、[停止・消音]スイッチを押すと次のような動作を行うこと。 1.[開始]スイッチを押しても、ブザーが鳴り、開始しない。 2. [停止・消音]スイッチを押すと、ブザーが消音する。 チューブクランプ機構の点検方法 操作 ・準備した輸液セットを本体に装着し、ドアを閉めてクレンメを開く。 ・電源を入れ、輸液セットの先端から水が出るまで早送りを行う。(プライミング) 確認 ・早送りを終了したとき、輸液セット先端及び点滴筒の水の滴下がないこと ・ドアを開げたとき、チューブクランプが自動的に閉じてチューブを圧閉し、輸液セット先端お よび点滴筒の水の滴下がないこと。 閉塞検出の点検方法 操作 ・準備した輸液セットを本体に装着し、ドアを閉めてクレンメを開く。 ・電源を入れ充分にプライミングを行う。 ・下表の様に設定する。 本体からクレンメまでの距離 1 m 流量 120mL/h 予定量 200 mL 閉塞圧設定値 H ・クレンメを閉じる。 ・開始すると同時にストップウォッチをスタートさせ,閉塞警報発報までの時間を測定する。 確認 ・閉塞警報が発報するまでの時間が下表の規定内であること。 ポンプ用輸液セツト(高精度) 約5〜20秒 ポンプ用輸液セツト 約10〜70秒 流量精度の点検方法 操作 ・準備した輸液セットを本体に装着し、ドアを閉めてクレンメを開く。 ・電源を入れ、プライミングを行う。 ・流量l20mL/h、予定量20mLに設定して開始させ,慣らし運転のため10分間放置する。 ・輸液完了になったら、停止させる。 ・積算量を「0」にクリアする。 ・流量、予定量を次頁の表の通りに設定し、輸液セット先端をメスシリンダーに入れる。 ポンプ用輸液セツト(高精度) 流量 60mL/h 予定量 120mL ポンプ用輸液セツト 流量 120mL/h 予定量 20mL ・開始させ、輸液完了まで放置する。 ・輸液完了になったら、停止させる。 確認 ・メスシリンダーにたまった水量が、下表の規定内であること。 ポンプ用輸液セツト(高精度) 28〜32ml ポンプ用輸液セツト 18〜22ml 気泡検出の点検方法 操作 ・準備した輸液セットを本体に装着し、ドアを閉めてクレンメを開く。 ・電源を入れ、プライミングを行う。 ・流量l20mL/h、予定量200mL,気泡検出感度を「10」 に設定し、開始する。 確認 ・約1〜2分動作させて、気泡混入警報が発報しないこと。 操作 ・点滴筒付近のチューブを指でつまんで点滴筒を逆さにし、下表の長さの気泡をチューブ内に作 り、開始する。(点滴筒下のチューブ径に応じて、気泡の長さを変える)。 ポンプ用輸液セツト(高精度) 約30mm ポンプ用輸液セツト 約10mm 確認 ドロップセンサーの点検。 操作 ・準備した輸液セットを本体に装着し、 ドアを閉めてクレンメを開く。 ・電源を入れ、プライミングを行う。 ・流量l20mL/h、予定量200mLに設定し、開始する。 確認 ・点滴筒内の水が滴下する毎に、ドロップセンサーのランプが点滅すること。 シリンジポンプの保守点検 (例) 使用前の点検方法(毎回) 毎回の使用前に、下記内容を確認する。 @本体の外装、ポールクラソプ等に破損等がないこと。 薬液固着している場合は、すみやかに拭きとること。 Aシリンジを装着しない状態で内蔵バッテリーにて電源を入れたとき、セルフチェック動作を行うこと。 このとき、エラー表示等の異常を示す動作が発生しないこと。 1.すべての表示ランプが点滅する。(表示の欠げ等がないことを目視で確認) 2.モーターが少し回転する。 3.警報ブザーが鳴動する。 BAC電源に接続すると、[AC/DC]ランプが点灯すること。 Cシリンジをセットしない状態では、[押子/クラッチ]警報ランプが点滅し、シリンジをセットして[早送り]スイッチを押すと消灯すること。 Dシリンジをセットしたとき,シリソジのサイズが検出できること。 E[開始]スイッチで開始状態にした後、[停止・消音]スイッチにて停止できること。 Fスライダーを押し切ると[残量]警報ランプが点滅すること。 閉塞検出の点検方法 操作 ・水の入ったシリンジ(50 mL)を本体に装着する。 ・シリンジに翼付静注針をしっかりと接続する。 ・電源を入れ,早送りして針先までプライミングを行う。 ・翼付静注針のチューブの途中を鉗予(コッフェル) で挟み、下表の様に設定する。 シリンジから鉗子までの距離 5mm以内 流量 50mL/h 閉塞圧設定値 M ・開始すると同時にストップウォッチをスタートさせ,閉塞警報発報までの時間を測定する。 確認 ・閉塞警報が発報するまでの時間が下表の規定内であること。 50mLシリンジ 約5〜180秒 流量精度の点検方法 操作 ・水の入ったシリンジ(50 mL) を本体に装着する。 ・シリンジに翼付静注針をしっかりと接続する。 ・電源を入れ、早送りして針先までプライミングを行う。 ・積算量をクリアする。 ・流量を70mL/hに設定し、翼付静注針の先端をメスシリンダーに入れる。 ・開始させる。 ・30分後に停止させる。 確認 ・メスシリンダーにたまった水量が、下表の規定内であること。 50mLシリンジ 34〜36mL 清掃・消毒 ○清掃 輸液ポンプは,その特性上,輸液バッグからの薬液の降りかかり等により汚れが付着しやすい。 付着した薬液をそのまま放置すると固着して故障や劣化の原因になるので、使用後は清掃を行い、正しく保管すること。 注意 ・清掃するときは、必ず[電源コスイッチを切り,AC電源ケーブルまたはDCケーブルを抜いてから行うこと。 ・薬液がかかったり,汚れがひどい場合は,水またはぬるま湯に浸したガーゼ等で速やかに拭き取ること。 ・アルコール、シンナー等の有機溶剤では拭かないこと。 ・AC電源コネクター、DCコネクター、ドロップセンサー接続コネクター、通信コネクター、 気泡検出部,閉塞検出部,フィンガー部,チューブクランプ部の清掃は定期的に行うこと。 ・清掃後は、十分乾燥していることを確認"してから使用すること。 ・ドライヤー等を使用して乾燥させないこと。 ・コネクター部に水がかからないように注意すること。 ○消毒 感染防止のため、定期的に装置の消毒を行うこと。 具体的な消毒の方法は、取扱説明書の記載内容を参照するなど、メーカーから提供される情報に従こと。 注意 ・消毒剤を使用した後は、水またはぬるま湯を浸したガーゼ等で消毒剤を拭き取ること。 ・消毒剤の希釈濃度等、消毒剤の使用方法については各消毒剤の添付文書に従うこと。 ・オートクレーブ滅菌はできない。




